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教育ICT

私立学校の校務情報化――12年間を1システムで一元管理 保護者連絡システムとも連携も開始【ウェルダンシステム】

2025年4月18日
EDIX東京2025

2023年に開校40周年を迎えた東海大学菅生高等学校(東京都あきる野市)。豊かな緑に囲まれた広大なキャンパスに、2024年からスタートした特進PBLコース、医学・難関大コース、進学コースを設置しており、ICT活用にも注力。Google for Education事例校、学校情報化優良校でもある。

同校では、高等学校から始まり、中等部、初等学校に校務支援システム「スクールマスター」を導入し、12年間を一元管理している。導入から一元管理に至るまで徐々に進めてきたという同校の校務情報化について、高等学校で校務情報化を当初から担当してきた同校メディアセンター長の染谷博文氏に聞いた。

豊かな緑に囲まれた広大なキャンパス

導入前:独自システム活用から統合システム導入まで

染谷博文氏・メディアセンター長

私が本校に着任した1990年代は手書きの校務処理が当たり前でした。各教科の教員から提出される成績原票を見て手書きで写し、手計算して一覧化しており、正誤確認作業にも時間がかかっていました。

情報担当でありPC活用の担当でもあったことから、成績でもPCを利用しようと表計算ソフトやデータベースソフトについて学びながら校務システムを構築し、バージョンアップしながら教員全体で活用していたのが2000年代のことです。

独自システム活用により成績管理のデジタル化が日常化するにつれ、担当任せの仕組みではなく製品として導入し、持続可能な環境としたいと考え、当時の教務主任とシステムを選定。

そのとき出会ったのが、校務支援システム「スクールマスター」でした。

帳票や調査書、指導要録、各種証明書をすべてデジタル化でき、使い勝手が良く、カスタマイズを含めた構築や運用面のコストなどが良心的であったことから導入を決め、活用を開始したのが2011年度です。

本校では、入学以来すべての成績を一覧できる表を作成しており、そのカスタマイズも依頼しました。

 

導入後:低コストで利便性向上 中等部・初等学校も導入

導入当初は、教員はこれまで使っていた仕組みで入力し、情報担当がそれをCSVで集約してスクールマスターに入力していました。その後、教員が直接システムに入力できるように研修を行って徐々に新システムに慣れていけるようにし、移行していきました。

スクールマスターの動きもスムーズで、ボタン一つで様々なデータをすぐに抽出することができ、学級担任への説明も手間がかからず、仕事の移行をスムーズに周知することができました。

校務処理の効率はスクールマスターにより格段に向上しました。

まず、情報管理担当の仕事量が減りました。次に、教員による入力が浸透するにつれて、教員が自分で帳票を出力できるようになり、さらに担当の仕事量が減っていきました。

中等部、初等学校で同じ仕組みを導入

当時、中等部や初等学校では別の校務システムを使っていましたが、特に帳票類のカスタマイズ費用や年間の保守費用が高額で、スクールマスターの10倍以上のコストがかかっていました。

そこで、まず中等部から切替えの検討を開始し、2014年度よりスクールマスターを導入。同じシステムでデータを管理できるようになり、中等部から高校への進学時の生徒情報のやりとりが格段にシンプルになりました。

さらに2023年度より初等学校も導入。現在は12年間を1システムで一元管理しています。

担当者が迅速に対応

導入後に気付いたメリットもあります。

スクールマスターを提供しているウェルダンシステムが疑問や相談に迅速に対応してくれる点です。新たな帳票追加の要望にも迅速に対応してもらうことができ、費用も抑えられています。

システム開発者が教員出身者ということもあり、要望を伝えると理解も速く、きめ細かいやりとりを短時間でできているイメージがあります。本校の担当も決まっており、本校の現状を理解した上でやりとりができることから、担当が少ない本校の心強い相談相手となっています。

 

今後に向けて:保護者連絡機能と連携 中・高で活用開始

スクールマスターの新機能として、保護者連絡サービス「eメッセージ」((株)アットシステム)との連携が始まることを聞いてWebセミナーに参加したのが2024年度の秋頃です。

当時、保護者連絡サービスは既に導入済ではありましたが、保護者からの欠席・遅刻連絡の内容をスクールマスターにその都度入力する必要がありました。新機能では、ボタン1つ押すだけで欠席・遅刻の内容を連携することができるため、この手入力の手間が省けると考えました。

当時利用していた連絡サービスよりもコストが低く、学校全体で移行するメリットも大きいこと、スクールマスターを10年以上使っており、可能な限り一元管理したいというニーズに合致することから、校内で賛同を得ることができ、パイロット校の募集に応募しました。

パイロット校としては事前に特定クラスの保護者と教員がアプリを登録して操作を検証しました。アプリをスマートフォンに登録する必要がありますが、オンラインマニュアルで保護者もすぐにできていました。

本仕組みは、保護者から届く生徒の遅刻・欠席・早退の連絡をスクールマスター側で確認し、そのまま反映して良ければ承認ボタンを押すことで正式にシステム上に登録することができます。在校生には3月中に登録をお願いし、20254月から高等学校と中学校で本稼働しています。

さまざまなデータをデジタル化し、データの一元管理に移行すること、担当が変わっても継続できる仕組みの構築は学校全体の総意です。保護者連絡サービス連携が稼働開始することで、データの一元管理の実現に少しずつ向かっているところです。

家庭環境調査票のデジタル申請も可能に

本仕組みにより、家庭環境調査票のデジタル申請も可能になるため、今後、検討することも考えています。

現在、家庭環境調査票は紙で作成しており、職員室の金庫で保管していることから、部活動の遠征先や修学旅行などの外出先で何か起こった際に家庭に連絡をする場合、学校にいる教職員が対応する必要がありました。これがデジタル化できれば、迅速な対応が期待できると考えています。

 

ウェルダンシステム

EDIX東京エルモブース内で、私立小中高等学校向け校務システム「スクールマスターZeus」を紹介。本システムでは学校の特色に合わせてシステムを最適化。小学校から高校までの12年間を一元管理できる。iPad版、クラウド版も提供。

この4月に保護者連絡サービス連携機能を新たにリリース。ブース内で個別相談や、詳細デモの予約を受け付ける。

出展場所:南ホール4階 業務支援 21-20

クリックするとPDFファイルが表示されます

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年4月21日号

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