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教育ICT

生成AIパイロット校成果報告会

2025年2月5日

生成AIパイロット校成果報告会ポスター展示会場では66校の指定校のうち62校(小学校23校、中学校29校、高等学校10校、中等教育学校1校)が様々な成果を報告した。いくつかを紹介する。

ポスター発表では修学旅行プランの作成やChatボット機能を搭載したWebページの作成、AIと人間のバイアスの違いの体験によるメタ認知など様々な事例が報告された

生成AIの様々な事例を発表

◇・◇・◇

北海道帯広柏葉高等学校では、ChatGPTGeminiCopilotを利用。メールの返信文のたたき台や公文書の下読み、アンケートの概要まとめ、会議や研修の意見概要まとめなどを実施。「たたき台」以上の自動化を目指し、GASGoogle Aps Script)を生成AIと共に作成。生成AIに学習指導要領を読み込ませて授業案の分析も行った。

授業活用は、生徒自ら創意工夫する環境になると考えて推進。美術Ⅰでは「生成AIのコーチングは可能か」をテーマに実施。自分の下書きを生成AIに読み込ませてテーマ性や構図、光と影、動きなどの表現について質問・フィードバックをもらった。次に、自分が下書きを作成した際に意識したことを入力して画像を生成。その画像を鑑賞したうえで自分の下書きを修正した。

今後については、まず校務について、APIを用いたRPA(業務の自動化)の構築を行い、公文書の仕分けやメール本文の要約の自動化を実現したいと考えている。

◇・◇・◇

佐渡市立内海府中学校(新潟県)ではChatGPTNolangを利用。自由進度学習における対話的支援に取り組んだ。生徒の立てた課題や実験方法、実験準備等について「自由進度学習プロンプト」を作成。課題研究を生徒主体で進めやすくした。生徒と生成AIの対話においてしばしばコミュニケーションのずれが生じていたため、カスタムインストラクションの設定を実施。これはChatGPTに対して利用者のニーズや目的に応じて事前情報や出力方法を追加・調整できる機能。これにより生徒に合わせた適切な応答が可能になった。

実験考察場面でも生成AIによる対話的支援ができるように「考察支援プロンプト」を作成。「明確な結論」「根拠の提示」「論理の一貫性」など5項目について評価を得られるようにした。生成AIのアドバイスにより生徒の考察が深まった。

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嘉手納町立嘉手納中学校(沖縄県)では校務利用と教育利用を実施。教員研修ではGeminiアカデミーを実施。保護者対象に生成AI体験会を行った後、100事例を目指して生成AIを授業活用。さらに他校の教職員向けに公開授業と生成AI体験会を実施。公開授業には約350人が参集。10ブースで事例を紹介した。校務では自然体験学習に関するアンケート結果の分析と受け入れ事業者へのお礼状のたたき台作成に利用。授業のふり返りの充実を図るため、各教科で、ChatGPTを用いたフィードバックのプロンプト「ふり返りくん」を作成。授業活用では英語と社会で、生成AIをチューターにすることで学習内容の理解を深めている。

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熊本市立桜山中学校では校務利用と教育利用を実施。校務利用では主に「評価の設定」「意見の要約」「文書など保護者連絡文書のたたき台作成」に利用。ルーブリック評価設定のたたき台、発表会等での意見の集約、通知表所見や学級通信、外国籍生徒や保護者への文章翻訳等のたたき台作成に利用した。

授業活用では国語2年「意見文を書く」において、課題設定でAIに候補をあげてもらうことや意見文作成後にAIとともに推敲することでわかりやすい文章作成に取り組んだ。

英語2年「ニューヨークの旅行プランを考えよう」ではALTからの情報に基づいて生成AIに観光地を提案してもらい、旅行プランを検討した。

美術1年「いとおかし~を伝えよう!私の世界観~」の売りたいお菓子のイメージを紙粘土で本物のように作る活動では店やパッケージを、画像生成AIを用いて表現した。

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札幌市立中央小学校ではChatGPTCopilotAdobeExpress、みんなで生成AIコース、スクールAIなどを利用。同校では「生成AIは知の電動アシスト付き自転車」と表現している。夏休みの親子生成AI教室ではワークショップを複数実施。そのうちの1つ「AIバイアスと人間のバイアス」では「警察官」「幼稚園の先生」として生成された画像を見て討議。AIによるバイアスについて体験しながら学ぶとともに、自分たちにも生成AIと同様のバイアスがないかについてふり返った。

校務については、公文書表記を学習したカスタムボット(マイGPT「文書チェックくん」)を作成。文書の誤表記や表記揺れのチェックを行うことで、文書内容に集中できるようにした。

教育家庭新聞マルチメディア号 2025年2月3日号掲載

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