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教育ICT

全国のICT活用先進自治体を表彰――第7回日本ICT教育アワード/全国ICT教育首長サミット

2025年2月5日

【デジタル大臣賞】
大阪府枚方市 伏見隆市長・谷元紀之教育長

Wi-FiセルラーモデルをGIGA2期で調達

デジタル大臣賞 大阪府枚方市

枚方市では2025年度の更新に向けて、202310月に「ネクスト・ギガ・リプレイス意見聴取会」を立ち上げ、9回にわたって議論。次期端末として、手のひらが画面に触れても反応しない「パームリジェクション機能」搭載iPad10世代WiFiセルラーモデルを調達する。屋外でもインターネットにつながり、学びを止めない環境を構築する。

2024年度より新たな取組としてPBLを推進。学びを子供に委ねることを目指し、実生活のリアルな課題を探究的に解決する学びに向けて12校が参加する「PBLチャレンジネットワーク」で講師の講義や実践共有を通して本市独自のPBLの構築に着手。2027年度からの全校実施を目指す。小学校5校・中学校5校による校務における生成AI活用の実証事業も開始している。

独自のPBLの構築に着手(枚方市発表資料より)

 

【全国ICT教育首長協議会会長賞】岐阜県恵那市

指導案・授業動画・教材 デジタル版授業参考資料

恵那市では2024年度に「恵那市立小中学校ICT活用推進方針」を策定。ICTを利用することではなく、ICTを効果的に活用することを目指す。

優れた授業例を多くの教員に見てもらうため、指導案・授業動画・教材をセットにした「デジタル版授業参考資料」を作成。授業の様子を動画で見ることができ、授業で活用した教材も確認できる。

また、STEAM教育を進めるため夏休みを利用して、「ドローンプログラミング教室」「PEPPERプログラミング教室」などさまざまなプログラミング講座を実施。生成AIとプログラミングを組み合わせた体験講座では画像生成AIにイメージを伝えてキャラクターを作成。2つのキャラクターを並べることで生成AIがストーリーを作成する様子を子供たちが体験した。

 

【全国ICT教育首長協議会会長賞】愛媛県四国中央市

家庭のWi-Fi環境構築を支援

四国中央市はICT教育推進プロジェクト「GIGAしこちゅー」を立ち上げ、モデル校を作らず、全小中学校を対象に全教員のスキルの底上げに向けて3つの方策に取り組んでいる。

2025年度から地元企業と連携し、家庭学習に必要なWiFi環境の構築を支援。光回線の引き込み費用やWiFi機器代など5万円相当の初期費用を無償化。光回線利用料も1年間半額となる。

教員研修プログラムでは全国で活躍中の講師陣による研修を継続的に実施。教育長・教育委員会ICT研修ではICT教育の先進自治体を視察。ALTICT支援員の研修も教育委員会主催で実施している。

教員の創意を生かした発展的な学びも支援。活用事例を共有してレベルアップを図っている。

 

【日本視聴覚教育協会会長賞】鹿児島県鹿児島市

学校外でもシームレスに学べる環境を実現

鹿児島市ではDX推進計画を策定し、「ICTで住みよいまち推進」を重点プロジェクトとして取り組んでいる。ICT教育に関しては情報活用能力の育成やプログラミング教育の実施など、支援スタッフのサポートなどにより、さらなる充実を目指す。

すべての子供が家庭や学校外でもシームレスに学べる環境を実現するため、市内180か所の放課後児童クラブに無線WiFi環境を整備。WiFi環境のない家庭にはSIMカード付モバイルルータとして全3715台を貸し出した。また、どこからでもアクセスできる学校内外で利用可能なクラウド型デジタル教材も用意。AI型デジタルドリル、デジタル・シティズンシップ教材、プログラミング教材などを整備した。これにより、いつでもどこでも学べるだけでなく、子供たちが自分のペースで個別最適な学びが行える。

 

【全国ICT教育首長協議会会長賞】鹿児島県垂水市

ICTでまちづくりに子供の意見を取り入れる

垂水市では職員の資質向上に教員の課題意識や要望に応えるICTに特化した夏季合同研修会を実施。GIGA StuDX推進チームやDX戦略アドバイザーなど大学や行政を含め多方面からの支援により教員のスキル向上が図られている。

未来の垂水のまちづくりに向け、ICTを活用し、子供の意見を反映させている。垂水の将来像について学校ごとに地域の実態に応じたテーマを設けて動画を作成。作成した動画は他の学校でも視聴できるようにクラウド上で共有し、全学校をオンラインでつないだ遠隔合同授業で質疑・応答を行った。今後は児童生徒が抱えるさまざまな課題を改善目標として捉え、ICT機器の効果的な活用を図る。

 

【日本ICT教育アワード審査委員会特別賞】長崎県西海市

メタバースで放課後オンライン学習会

長崎県西海市ではメタバースを活用した放課後オンライン学習会を行っている。西海市は充実したICT環境が強みである一方、家庭学習の不足など学力向上に課題が見られた。そこで小学校4年と中学校1年を学力向上重点学年に設定し、学習塾講師によるメタバースを活用した放課後オンライン学習会を週1回実施。希望する児童生徒が算数・数学を学んでいる。受講費は無料。

本市では20236月に1回目の放課後オンライン学習会を実施したところ200人中81人が参加したが受講者数は下がる一方だった。そこで、西海市メタバーススクールとして再出発。子供たちはアバターで交流学習サイトや放課後オンライン学習会に参加できるようにしたところ受講者が劇的に増加した。2024年度から対象学年を拡大し、2025年度は小学校5年~中学校2年に広げ、英語も追加して実施する。

 

【日本ICT教育アワード審査委員会特別賞】東京都渋谷区

探究でICT活用データ活用も推進

渋谷区は午後の時間すべてを探究活動にあてる「シブヤ未来科」を実施。子供たちが探究活動を通じて、学校や地域を改善する。前期は探究基礎や企業体験を通じて探究のフレームワークを学び、後期は1人ひとりが問いを設定する「My探究」に挑戦する。

4つの柱(TechnologyExperienceCreative spaceDATE driven)で探究活動を支援。ラーニング・コモンズやSTEAM Labなど探究に没頭できる空間を提供。ラーニング・コモンズの実証事業を小学校3校で実施。すべての子供が思いおもいの場所で学びに向かう姿が見られた。教員向け及び児童向けダッシュボードの活用も推進。教員向けダッシュボードを活用している学校ほど子供が相談しやすいというアンケート結果が出ている。

 

【全国ICT教育首長協議会優秀賞】埼玉県久喜市

データ活用を推進 ネットワークも増強

久喜市では2020年に「久喜市版 未来の教室」構想を立ち上げ、11台端末とクラウド環境を基盤とする学びを推進。これにより授業における端末の活用頻度も活用内容も充実した。

久喜市版教育ダッシュボードも構築。市独自の学力テスト「久喜市ステップアップテスト」の結果をダッシュボードに表示し、児童生徒は自己の学習をふり返り、復習問題を通して学び直しを行っている。アンケートの結果もダッシュボードに反映して子供たちが発信する微細なSOSをキャッチ。迅速な対応につなげる。久喜市ではGIGA2期に向け、ネットワーク回線を10Gbpsベストエフォートに増強するほか各種システムを構築。教員のウェルビーイング化を実現する。

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このほか全国ICT教育首長協議会優秀賞として岐阜県岐阜市、島根県美郷町が受賞した。

教育家庭新聞マルチメディア号 2025年2月3日号掲載

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