福岡教育大学附属小倉中学校では、従来の教師主導型の授業から転換して、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を進める上で、ICT活用と支援する教員の役割に焦点を当てて取り組んでおり、「様々な情報から意味や価値を創造する力の育成」を掲げ、研究を進めている。
11月1日の研究発表会では、これまでの成果を公開した。
小倉中学校では、生徒1人ひとりが課題等をもって学習していく「複線型」の授業を基本として進めているところだ。
複線型では、生徒1人で学習を進めたり、そのときに必要な相手と協働して学習したりすることになる。また、クラウドを活用することにより、学級全員の考えや意見等を効率的に参照することを通して、個々の考えを深めていくことにもつながっている。
複線型の授業で、教員がどのように支援すればよいのか。小倉中学校では、教員の支援に着目して研究を進めてきた。
授業前は、生徒が自ら「解決したい」と思える教材の開発・選択や学習課題の想定などについて検討。授業後は、ICT活用によって、学習履歴(スタディ・ログ)として残したり、教員による評価や生徒同士の相互評価を進めたりしている。
同校では、生徒の深い学びを促すような複線型の学びにおいてICT活用を行う際の教員の役割を模索しているところだ。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年12月2日号掲載