小・中・高等学校への個別最適・協働的な学びの実現、情報活用能力の育成に関する支援を主な対象としており、授業イメージの共有、具体的な授業方法の提示を行い、学校全体で授業改善が進むような伴走支援を心がけています。
本事業では、洲本市教育委員会(兵庫県)や壬生町教育委員会(栃木県)など、教育委員会単位での年数回の継続的な指導に加えて、教員委員会や各学校でのスポット的な研修など多様な支援をさせて頂いています。
「個別最適・協働的な学びの実現」は、多くの現場の関心事です。これは、これまでの教員中心の一斉授業から、学習者中心の授業への転換を目指すものです。一斉授業のすべてを否定するものではありませんが、これまでの授業のあり方を大きく変化させるものといえます。
これまでの支援の経験上、最も効果があったのは、実際の授業を見に行くことでした。リーディングDXスクール事業では先進校視察のための予算があります。実際に授業イメージが持てると授業改善が進みやすくなるようです。併せて効果があると感じるのは校務のDXです。紙ではなくデジタルで即時に共有する、かつまとまってからではなく編集過程を共有する感覚は、経験しないと理解しにくいものです。児童生徒の出欠状況や教員間の連絡などをクラウドで行う、授業改善へのチャレンジを常にChatで共有するなど、教員の使うものと児童生徒が使うものを重ねることで、クラウドを用いて個別最適に学ぶ感覚を共有することも有効です。
授業イメージの共有ができれば、授業の検討が具体化します。学習者主体の授業はすべてを学習者に丸投げするわけではなく、教科等の学びを疎かにするわけでもありません。例えば「学習の手びき」と呼ばれるような、課題と基準、そのための学習過程を示し、それを基に学習者が自分で学びを進める、慣れてくれば手びきを少しずつ減らしていく、というような具体的な進め方を共有することで授業改善が進む学校が多いようです。
個々の児童生徒が最適に、最大限学ぶことを目指す授業が増えることを期待しています。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年11月4日号掲載