主に高等学校の管理職を対象に「GIGAスクールと情報科を一体的に推進するカリキュラムマネジメント」などをテーマとしてこれまでに山形県、石川県、千葉県、奈良県、和歌山県、岡山県、大分県、京都府などを支援しています。
私への依頼の多くは、教育センター等が主催する管理職向けオンライン研修です。
実施までに何度か担当者とオンライン会議を行い、研修のねらいや受講環境、タイムテーブルなどを調整しています。
研修ではクラウドアプリを使って参加者全員の意見を共有したり、ブレイクアウトルームを使ってグループ協議を行ったりなど、双方向コミュニケーションを取り入れた研修としています。
例えば、大分県教育センターからの依頼では、受講対象者が異なる研修を2回行いました(1回目は学校CIOである校長が対象、2回目は教育情報化推進リーダーとなる担当者が対象)。
それぞれ約3時間の枠組みで講義・実習・協議を織り交ぜて実施しました。
講義では、そもそも何のためのGIGAスクール構想なのかについて考えてもらい、GIGAスクール構想の推進には校長やリーダーが「ファーストペンギン」として自らやって見せることが大切であること、1人1台端末の活用を推進するためには授業改善が大事であることなどを伝えました。
研修会終了後のふり返りアンケートからは「単なる機器の活用でなく、また、教員が楽をするためだけのものでなく、『価値を創造する端末』という言葉に、はっとさせられた」「『機器の使用を求めるよりも授業改善』という話がとても響いた」などの感想を頂き、それまでの研修準備の苦労が吹き飛ぶような達成感を得ました。
ただ、オンライン研修の場合は会議を退室すると急に現実に戻され、校長室の机の上にたまった書類を再び片付けることになるのです。年に数回は対面形式の研修会に呼ばれることがありますが、対面でもオンラインでも、こうした研修会を通じた出会いは財産であり、これからもこうした交流を大切にしていきたいと思います。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年11月4日号掲載