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教育ICT

広域で進めるためのノウハウで制度面の課題を解決 <小﨑誠二准教授・奈良教育大学大学院(奈良市教育委員会スクールDXプロジェクトマネージャー)>

2024年11月6日
寄稿・学校DX戦略アドバイザー

小﨑誠二准教授・奈良教育大学大学院(奈良市教育委員会スクールDXプロジェクトマネージャー)

自治体間の協力体制の構築、環境整備のための全体推進計画立案、教員の情報活用能力の向上のための研修、授業改善のための指導助言などを小・中・高等学校、教育委員会事務局等を対象に支援しており、これまで、32都道府県教育委員会・107市区町村教育委員会と関わってきました。教員としての20年、教育委員会18年、大学院における教員養成と研究、文部科学省の事業にも関わるキャリアを生かした、俯瞰的かつ横断的な助言を求められることが多いです。

自治体間の連携など、広域で進めるためのノウハウや調整の進め方の相談やメリットについての説明を求められた際は、県域で取り組んでいる共同調達・共同運用のあり方や成果を紹介し、全体構想に関する協議での助言、自治体が集まる場での講演を行いました。

教育委員会が抱える悩みは、地域の実情から生じることがほとんどで、課題は千差万別です。一方で、組織の規模が似ていると共通する悩みも多く、担当者の苦労は、人間性や働き方もあるでしょうが、制度面の課題がいかに大きいかということを実感しています。

授業改善をテーマに「教育の情報化がうまく進まない学校の支援」「これから教育にデジタル技術を利用しようとしている学校への助言」を求められる場合、私の役割は、教員に対する火付け役だと感じることが多いです。ICT活用をどう受け止めたらよいかが整理できていない場合、使うか使わないかという視点で考えてしまうようです。DXの概念の理解の前に、これまでの「どのように教えるか」を「どのように学ばせるか」の延長として捉えた上で、ICTの必要性を考え、効果を実感することが大切だと感じます。

特に私自身の年代である、管理職を中心としたベテラン教員が「私たちももっと勉強していいんだ、変わっていいんだ、成長しないとだめですね」と言ってくれる瞬間が、至高の幸せです。

学校こそが社会よりも進んだ環境で、より深い学びができる場であるべきで、指導主事も教員もワクワクし、子供たちが「先生になりたい」と思える学校になればいいなと考えています。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年11月4日号掲載

【寄稿】学校DX戦略アドバイザー 第1回

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