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教育ICT

デジタル学習基盤の要素を整理 個別最適な学び・協働的な学びに必須~文科省・デジタル学習基盤特別委員会

2024年10月7日

デジタル学習基盤特別委員会(第5回)は9月30日、これからの学びの前提とされる「学習基盤」についてのこれまでの議論を「デジタル学習基盤に係る現状と課題の整理(案)」にまとめさらに追加・留意したい点について討議した。


GIGAスクール構想とは11台端末の整備のみを指すものではなく、日本の学びを支えるためのデジタル学習基盤の整備であった。

デジタル学習基盤とは11台端末やクラウド環境等の情報機器・ネットワーク・ソフトウェアなどの要素で構成される一連の学習基盤であり、現時点において次の要素で構成されると整理した。

  1. 児童生徒の端末
  2. 通信ネットワーク
  3. 周辺機器
  4. デジタル教科書・デジタル教材・学習支援ソフトウェア
  5. CBTシステム(MEXCBT
  6. 教育データ利活用
  7. 情報セキュリティ

デジタル学習基盤 これまでの総括と今後

デジタル学習基盤については次のように総括。

「児童生徒の学びの保障に大きな成果をあげている」

「デジタル学習基盤が整備されたことで、児童生徒自身が、様々な教材から自らに適した教材を選択することが可能になった」

「全国学力・学習状況調査の結果からもICT活用による学習への良い影響が見られ始めている」

「教員の意図的な指導と合わせ、自立した学習者を育成していく上で大いに役立つもの」

個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実を通じ、さらなる教育の質の向上、不登校、病気療養、障害、あるいは日本語指導を要するなどすべての児童生徒に対する学びの保障、教員の働き方改革などを始めとする各種の教育課題について検討する際に、デジタル学習基盤の存在を切り離して議論を行うことはできないとしている。

なお、デジタル学習基盤の1つである通信ネットワークの整備は不可欠であるにもかかわらず、通信ネットワークが不十分でありながら、アセスメントを実施していない自治体もみられる状況は改善が必要とした。

校務DXについても言及。学校の働き方改革を実現する上で極めて大きな役割を果たしうるものであり、校務DXが進むことにより、学校の職場としての魅力、ひいては教員の職業としての魅力の向上に資するとした。

「デジタル学習基盤に係る現状と課題の整理(案)」について討議

本まとめ案について委員からは、

「デジタル一斉指導はやめようという指摘があるがデジタルであろうとなかろうと個別最適な学びの観点で一斉指導はやめるべき」

「指導という文言も再考が必要」

「デジタル教材やデジタルコンテンツ、デジタルドリルについても意味を整理するべき」

NWアセスメント調査についてはICT支援員も関わることで正確さが増す」

「探究的な学びという文言をもっと積極的に入れるべき。日本の競争力低下と探究的な学びの進捗には関係があるのではないか」

など、多数の意見があった。

この日の討議を反映した本まとめが中教審に報告される。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年10月7日号掲載

 

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