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教育ICT

高校生が「探究」で企業連携 SNSトラブルを未然に防ぐ新機能を開発 「誤解生みやすい」表現の注意喚起

2024年9月10日

SNS利用の一般化に伴いテキストコミュニケーションをきっかけにしたトラブルが増えている。

そんな課題を未然に解決する仕組みを作りたいと考えた北海道函館西高等学校の探究チームは、約6500万ダウンロードを記録している顔文字・絵文字キーボードアプリ「Simeji」とコラボレーション。新機能を発表した。


Simeji」新機能は、勘違いされやすい表現に誤解されにくい表現候補を示す機能と、使わないほうが良いと考えられる言葉に対する注意喚起機能だ。

例えば、「なんでくるの?」という表現は「どうして来るのか、来なくていいのに」という否定的な意味にとられる可能性がある。

しかし発信者は、「どうして来ることができるようになったのか」という嬉しい気持ちを表現している可能性もある。また、「どのような交通手段で来るのか」という意味の場合もある。

このように誤解を受けやすいと思われる言葉を皆で考えて誤解が少ないであろうと思われる変換候補を考えた。

「だからなに」「きもい」「きえろ」などトラブルのきっかけになりそうな表現については、黄色い△マークと「誤解を招く恐れがあります」というテキストの表示により注意喚起ができるようにした。

 

選択「国語表現」で探究プロジェクト

本取組のきっかけは、高校3年選択科目「国語表現」後期の探究活動だ。

本授業では、前期で言葉の表現手法などについて幅広く学んだ後、後期でチームになって「身近な社会課題を解決する」プロジェクトを展開。

グループ編成は、個人の強み・弱みを分析し互いに補い合える構成となるようにした。

本機能を開発した「ぶなしめじくん冒険メンバー」は、

「部活動グループでチャットを発信するときに先輩として礼儀正しい表現で返信したつもりだったが、後輩に『あの先輩は怖い』と言われて悲しい気持ちになった」

「きつく取られたくないと考えて絵文字を使ったら真剣に受け止めてもらえなかった経験がある」

「テキストのやりとりからの誤解がきっかけでけんかやいじめに発展する可能性もある」

という課題を共有してプロジェクトをスタート。

感情が高ぶるとキーボードの入力スピードが速くなることから、一定のスピードを超えたときに注意喚起を表示するというアイデアや、誤解を招きそうな略語を誤解の少ない表現に訂正してくれる予測変換機能なども考えた。

 

本プロジェクトで開発したSimejiの新機能を卒業生4人とプロジェクトを受け継いだ3年生4人が説明した

 

企業研究についても授業で行っており、自分たちのアイデアの実現に協力を得られそうな企業をピックアップ。

1候補がSimeji、第2候補がLINE、第3候補がYahoo!だったという。問合せフォームから協力依頼や資料を送り、今回のコラボレーションが実現した。

本取組は3年後期だったため、コラボ完成までに時間が不足していたことから、本プロジェクトを後輩に受け継いでもらうための発表会も実施。

同校では探究活動に1年生から取り組んでいることもあり、当日は数十人の高校2年生が集まった。その中から4人の後輩が本プロジェクトを引き継ぎ、課外活動として取り組んだ。

Simejiを提供しているパイドゥ(株)担当者は、

SimejiZ世代がターゲット。そんな世代の中心である高校生から起業15周年という節目に連絡が届き、すぐに返信をした。テキストコミュニケーションの課題感は感じていたが予想以上に幅広い世代が課題を感じていることを改めて発見できた」と語った。

生徒たちは、「行動してみないとわからないことがある。プロジェクトの経験は自分の将来にも活かせると感じている」と話した。

 

Simeji

キーボードの着せ替えや顔文字、絵文字を豊富に装備。「あす」と入力すると明日の日付が出る、「しんしへい」と入力すると新紙幣に採用された人物の氏名が出るなど変換能力のユニークさを誇る。

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年9月9日号掲載


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