宮崎県西米良村(古川信夫教育長)は、児童生徒1人2台の情報端末等の充実した環境を実現して、少人数指導のメリットを活かしたICT教育を推進している。
学校と家庭で主体的な学びを連携させ、児童生徒の情報活用能力育成等が高く評価され、日本教育工学協会(JAET)の「学校情報化先進地域」に認定されている。
特に、クラウド環境の有効利用に以前から力を入れており、少人数での協働的な学び等の授業改善を進めている。
西米良中学校(新名博校長)では、情報端末の携帯性を活かして、生徒が座席から移動できるようにし、教師主導の座学から脱却した協働的な学びを進めている。
さらに、クラウドの有効活用では児童生徒だけでなく、教師自身が研修において積極的に活用している。
授業研究会では、すべての教師が端末を持ち込んで研究授業を参観し、授業への気づきや意見をクラウド上で共同編集していた。
研究授業後の研究会では、共同編集した授業記録をグループで分析しながら深めていく。
互いに書き込んだ内容は、教員それぞれが研修後に自分のペースでふり返ることができ、紙面で共有していた頃より格段に効率的な研修になっている。
児童生徒だけではなく、教師がいかにクラウドを駆使して進めることができるか。ゼロトラストと言われる時代だからこそ、授業改善と教員の働き方を関連づけた取組が求められる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年9月9日号掲載