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教育ICT

共同学校事務室単位で学校徴収金の集金代行サービス導入~5校の管理職・学校事務職員・PTAが一致団結

2024年7月3日
校務DXで業務改善

群馬県渋川市教育委員会渋川北・金島中地区共同学校事務室に所属する小中学校5校(小学校3校・中学校2校)は、管理職と学校事務職員、PTAが協力して学校徴収金の集金代行サービスの導入を進めた。導入の経緯と準備、導入効果を5校の校長(導入時及び運用開始時)と学校事務職員、PTAの代表に聞いた。

(前列)信澤泰徳・渋川西小校長、野口直樹・金島小校長、新井佐知子・金島中校長、三原一志・渋川北中元校長、名塚浩・渋川北小元校長、荒木剛・渋川北中校長(後列)若林紀・渋川北小事務長代理、福島崇公・金島小事務主事、カーン勇二・渋川西小事務主事、角田純子・渋川北中統括補佐事務長、野村利樹・金島中事務主事、室橋俊之・渋川市小中PTA連絡協議会顧問

(前列)信澤泰徳・渋川西小校長、野口直樹・金島小校長、新井佐知子・金島中校長、三原一志・渋川北中元校長、名塚浩・渋川北小元校長、荒木剛・渋川北中校長(後列)若林紀・渋川北小事務長代理、福島崇公・金島小事務主事、カーン勇二・渋川西小事務主事、角田純子・渋川北中統括補佐事務長、野村利樹・金島中事務主事、室橋俊之・渋川市小中PTA連絡協議会顧問

【導入前】毎月生じる現金徴収 学校の抱える悩みとジレンマ

渋川北中学校 三原一志元校長

学校の「働き方改革」を考えたときに学校徴収金のこれまでのやり方を見直すことで、教員の負担もPTAの負担も軽減できるのではないかと以前から考えていました。

また、これからのPTAという組織の継続のためには組織をスリム化して仕事内容を精選する必要があり、その1つが学年委員による集金業務だとも思っていました。今までPTA役員には、各月の集金日ごとに来校をお願いし、集金業務の一部を担っていただいておりました。

回収後、学校は徴収金の預け入れに金融機関まで行くこと、それまでは金庫に現金を保管しておくことなど、危機管理上好ましくない状況が続いていました。

教育委員会からは働き方改革や危機管理上の観点から学校で現金を扱わない仕組みが推奨されていましたが、市としての一斉導入が難しければ実現は厳しいと当初は考えていました。

そんなとき、町単位や学校単位でサービスを導入した事例があると聞いて勇気を得、本校でも実現する方法はないかと考え、本地区共同学校事務室の角田統括補佐事務長に相談したところ「地区全校で導入するのであれば共同学校事務室として全面協力する」と話してもらうことができました。

その後、5校の校長の同意を得ると同時に事務室と各校の校長が課題を話し合い、最終的に「市内のモデル地区になるつもりでチャレンジしよう」という結論になりました。また、市教委にもオブザーバーとして参加を依頼しました。

渋川北中学校 角田純子統括補佐事務長

毎月の集金日には、各学年100万円弱の現金を事務処理していました。危機管理上の課題を誰もが認識しているなか、これを共同学校事務室で話題にすると、どの学校でも同じ課題を抱えていることがわかりました。

そこからは、5校の校長先生方のリーダーシップで、各学校の徴収金に関する課題を明らかにし、解決方法を探り、複数業者の提案を聞いて検討し、リコーリースの集金代行サービス「スクールコレクト」に決定しました。導入の決め手は「月額維持費が不要」であったことです。学校には大きな魅力でした。

システム操作についてはリコーリースの担当者の方にきめ細やかに対応いただき、安心して導入を進めることができました。

渋川市小中学校PTA連絡協議会 室橋俊之顧問

PTAの学年役員は、集金日の朝に集金補助として、学校に行く必要がありますが共働きも多く、朝決まった時間に学校に行くことができない保護者に負担がかかることが課題でした。

集金代行サービスの導入は、この課題を解決するために魅力的でした。そこで各校のPTA役員も説明会に同席してもらい、条件面での交渉にも参加しました。

これまでの現金徴収と異なり、集金代行サービスでは引き落とし手数料が必要になりますが、子供を通して現金をやりとりすることや、小銭を用意するための両替等のわずらわしさから解放されるなどのメリットをPTA総会などで丁寧に説明し、同意を得ることができました。

 

【導入後】集金代行サービスで現金徴収業務がゼロに

サービス導入後の変化を各校の校長と事務職員に聞いた。

金島小学校 野口直樹校長

引き落としの状況がPC上で確認できることが何よりの業務改善です。登校後の朝の忙しい時間に集金袋を回収する担任の作業、集めてきた集金袋の現金の確認と金融機関へ入金するための書類を作成する時間、そして金融機関へ出向いての入金作業。このすべてがPC上で完結します。

引き落としができなかった家庭には、このシステムでコンビニから入金できるよう振込票を印刷して渡すだけと職員室で業務が完結します。今では、これまで当たり前と考えていたこの学校での集金日の業務が、ずいぶんと世の中の流れから遅れていたことを実感しています。

渋川北小学校 名塚浩元校長

学校現場で現金を扱うという課題が解決したことは大きな成果です。業務のプロセスを改善する経験は、その後の働き方改革やその第一歩にもつながっていくきっかけになります。

渋川西小学校 信澤泰徳校長

管理職と事務職員の思いが一致したことで5校が一斉に動くことができました。本当に素晴らしい事例だと思います。本校は、集金代行サービスの導入を機に、集金を定額制にしました。これにより担任の月々の業務と保護者へのお知らせを省力化しています。

渋川北中学校 荒木剛校長

今年から本校に赴任しましたが、学校に現金がなく、集金袋もありません。教員が苦手とする金銭管理が簡略化されていることに驚きました。

金島中学校 新井佐知子校長

本サービスを導入したことで先生方の時間が生まれ、授業のための教材研究や子供たちと向き合う時間が確保できました。先生方それぞれが、気持ちに余裕が生まれた気がしています。

渋川西小学校 カーン勇二事務主事  金島中学校 野村利樹事務主事

学校現場で現金を扱っていた時には、学校事務職員が金融機関への入金や出金、来校する業者への支払い等を学級担任に依頼されることが多かったのですが、その業務がほぼなくなりました。

少し気持ちが楽になりました。

渋川北小学校 若林紀事務長代理  金島小学校 福島崇公事務主事

システム化を進めることで事務職員に生じる新たな業務については、室員で話し合い、それぞれのスキルを活かして解決しています。

スキルに関係なく誰でも利用できるようこれからも利便性や効率を上げられる工夫をしたいと考えています。

 

サービス導入きっかけに業務改善がさらに進んだ

集金代行サービス導入後、県内各地区からの問合せが増え、同様のサービスを導入もしくは検討するなど周辺地区だけでなく県内の市町村にも影響を与えているという。

本サービスでは引き落とし手数料は1回ごとに発生するため、引き落としを月ごとではなく学期ごとにまとめるなどの工夫も始まった。

また、本取組をきっかけに学校間の情報交換も進み、中学校で導入している修学旅行費徴収の業者委託を小学校でも導入するなど、新たな業務改善へとつながっている。

角田統括補佐事務長は、「学校徴収金の回収率は本校では96%に高まるなど明らかな効果がありました。今、学校事務職員は学校経営に関わることが求められています。今回の取組で、私自身も若い世代の考えを聞く良い機会になりました。若い学校事務職員の学校経営に対する関心を高め、新たな視点を生かし、それを育むきっかけにしたいと考えています」と話した。

集金代行サービス「スクールコレクト」

リコーリースは「口座振替」と「コンビニ決済」を利用できる集金代行サービスを提供しており、導入実績は2万社を超える。

公立小中学校向けには「スクールコレクト」として導入しやすい料金プランの提供を始め現在500校以上に導入実績がある。

回収結果等照会、口座振替・コンビニ決済業務はリコーリースが提供する専用サイト「コレクト!」内で完結。

引き落とし口座は全国の金融機関に対応。引き落としができなかった場合はコンビニ決済等ができ、払込用紙は同サイトから印刷できる。


【無料資料請求はこちらから】

https://www.rl-shukin.jp/lp_school01/

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年7月1日号掲載

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