学校が地域や社会と連携しながらICTを活かした教育を展開することが求められる。特に、情報化を専門的に扱う企業等との連携は欠かせない時代となった。
熊本県高森町(古庄泰則教育長)は、ICT活用の先進地域であり、外部との連携も継続して行っている。
2022年度からは、地元のテレビ局(KAB)と連携することで外部機関の専門性を活かした学びの支援を進めている。
高森町立高森東学園義務教育学校(梅田幸博校長)は、「自立した学び」を異学年の学習形態で研究している。前期課程と後期課程が一緒にグループ編成をして、学習リーダーが進行しながら授業を展開する「学習ガイド」で学びを深めている。
その異学年の学習形態の中で、子供たち主導でテレビ局と連携して地域の観光の活性化に向けて熊本地震から復興を遂げた南阿蘇鉄道のPR動画を制作した。
グループで作成した企画書をもとに、テレビ局に企画を提案し、企画内容やこれから行う情報収集についてテレビ局のスタッフにアドバイスを受けており、「WEB 質問シート」を共有して、いつでも質問できるようにした。
スタッフからは映像制作に必要な素材の選定やナレーション等のアドバイスを受けて、より質の高い動画を制作することができた。
学校が外部と連携して学習を支援する際、外部機関に任せっぱなしになってしまうことも多い。高森町の異学年の取組のように、子供たちの自立した学びを中心に据えて外部との連携を深めていくことで、連携する本来の目的が明確になるだろう。
外部連携の好事例といえる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年7月1日号掲載