第21回教育データの利活用に関する有識者会議(座長=堀田龍也教授・東京学芸大学教職大学院)が4月22日、開催された。
本会議は教育データ利活用に向けて、メンバーも一部入れ替えて昨年度に引き続き設置されたもの。2020年度からスタートし3期目となる今年度は、2024年3月に公表した「教育データ利活用に向けた実効的な方策について」に基づき、教育データの利活用を全国の教育委員会や学校で実現する方策について検討する。
堀田座長は「本会議は学習者用デジタル教科書の会議と同時に2020年から検討が始まり、『データ連携をしたらどうなるのか』『実行可能なのか、やって良いのか』等の検討から着手した。今年度は教育データ利活用に向けて納得度の高いユースケースを創出し、着手できる自治体から取り組んで頂けるように教育委員会や民間、関係団体の役割や支援を明確にする」と話した。議論の取りまとめは12月。
木田委員(鹿児島市教育委員会)は、「今年度から教育DX部長として各課連携に取り組んでいる。様々な課で各校に調査を行っているため、様式を統一して学校負担減につなげることから着手している」と話した。
小﨑委員(奈良教育大学准教授)は「本県では小学校の時入力したデータを高校受験でも活用できる。小中学校9年間のデータも高校で利用できる」と報告した。
デジタル庁の実証で学習履歴活用に取り組んでいる鹿児島市では小学校5年算数・中学校1年数学の自由進度学習で実施。取得するデータは「非認知能力アセスメント」の回答データ(学習前後)、デジタルドリルや授業支援クラウドの学習データ(学習中)、「学級経営アセスメント」の回答データ(学習前後)。
鹿児島県も奈良県も県域アカウントを発行してデジタル連携しやすい仕組みを構築している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年5月6日号掲載