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教育ICT

FAX送受信「原則中止」方針に対応 通常はデータで送受信 緊急連絡は紙出力

2024年3月5日

デジタル行財政改革中間とりまとめが2023年12月20日のデジタル行財政改革会議で決定した。校務DXに向けた現状の問題点として「クラウド・AI活用の未浸透」「紙や転記作業がまだ残っている」「非クラウド型の校務支援システム」「アプリと校務支援システムの未連携」を指摘。

FAXでのやり取り2025年度までに原則廃止

文部科学省は、校務DX浸透に向けたKPIとして次を設定している。

■クラウド環境を活用した校務DXを徹底している学校100%
 ■FAXでのやり取り・押印を原則廃止した学校100%
 ■不合理な手入力作業を一掃した学校100%
 ■生成AIを校務で活用する学校50%
 ■次世代の校務システムの導入を予定する自治体100%

FAXの原則禁止は、名簿等の転記作業をなくすこと、児童生徒の出欠確認の手入力や紙とデジタルと両方の業務プロセスの整理などが主目的となる。

一方で学校においてFAXは緊急時の連絡や発注作業等に活用されている。「先方の要望でFAX対応が必要な場合もある」という声も届く。

これをクラウド運用することで双方の問題を解決する仕組みがクラウドサービスエプソンコネクト(Epson Connect)だ。

プリンターをエプソンコネクトに登録することで、FAX情報もプリンターに直接メール送付。送られてきたFAX内容は校務PC内のフォルダにデータとして保存でき、紙文書の保存・管理が不要になる。

緊急性のある案件や紙による回覧が必要な場合は印刷も可能だ。

校内PCのほかスマートフォンや情報端末からもアクセスできるように設定できるため本仕組みにより「受信FAXを確認するために出勤する」もしくは「FAX送信のために出勤する」ことが不要になり、リモートワークにも対応できる。

FAX受信のための紙使用量が激減

印刷環境の見直しを始めとして校務・教育DXを進めている滋賀県彦根市教育委員会(小学校17校・中学校7校)でもエプソンコネクトの仕組みを利用。FAXは可能な限りデータで受信し、フォルダに保存して閲覧。FAX受信のための紙使用量や整理・管理の手間が激減した。

本仕組みではFAXとして送信されたメール内容を自動で印刷することもできる。

緊急時には教育委員会から市内24校の校長と事務職員に一斉に送信し、FAXのように自動出力。従来のように1校ずつFAXをする手間なく迅速な連絡が可能になり、FAXのデメリットを解消しつつメリットを生かすことができる。目的により使い分けができる環境により紙とデジタルの両輪で校務DXを進めている。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年3月4日号掲載

 

 

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