高知県の須崎市教育委員会(細木忠憲教育長)では、授業でのICT活用とプログラミング教育を地域全体で推進しており、地域団体の「てくテックすさき」と連携して、学校におけるICTを活用したワークショップやプログラミング教育の実施、地域学習等を行っている。
1人1台端末を主体的に活用する授業改善についても特徴的な取組を行っている。
須崎市の小規模校では主体的な学びを進めるための取組として、複式学習での手法である「学習ガイド」を単学級でも取り入れ、情報端末の有効活用につなぐ授業を進めている。
この学習ガイドとは、複式学習で教員がいない場面で進行役の子供が授業を進める形式だ。これを市では情報端末の有効活用と関連づけながら進めている。
須崎市立吾桑小学校の算数授業では進行役の子供が司会をしながら、複式学級において2つの学年がそれぞれ学習者用デジタル教科書を用いて自ら課題を解決していく学習を進めていた。教員の出番は極めて少ない。複式学級以外の単学級においても、進行役の子供が司会しながら進めており、このことが主体的な学びの構築につながっていく。
今後、市全体でプレゼンテーション大会を開催する須崎市。さらに、幼児期からプログラミング教育を充実させるため、公立保育園においてアンプラグド教材を活用した実践を実施する予定で、学習ガイド等による学習形態とSTEAM教育の両面から子供たちの主体的・創造的な学びを支えていく考えだ。
教育家庭新聞 新学期特別号 2024年4月15日号掲載