文部科学省は2月26日、第3回デジタル学習基盤特別委員会(座長=堀田龍也・東北大学大学院教授)を開催。「義務教育の在り方中間まとめ」「GIGA端末更新等進行状況」「次期ICT環境整備方針の在り方WG審議経過」(左記事参照)「校務DX化チェックリストに基づく自己点検結果」「教育DXに係るKPIの方向性」ほかについて報告・討議。その中から現在検討中のKPIの方向性について取り上げる。
教育DXに係るKPI(目標達成に向けた評価指標)の方向性(表参照)は今年度中に確定させる方向で現在地方自治体を始めとした意見を収集しブラッシュアップを図っているところだ。
児童生徒のキーボード入力時間のスピードアップや情報活用能力調査下位層の減少など子供に関するものや指導者用端末の整備、FAXやりとり原則廃止、生成AIの校務活用、クラウド対応の教育情報に関するセキュリティポリシー策定(関連5面)、校務のロケーションフリーなど具体的な指標が並び、100%達成目標年度を示した。「平均値超え」では許されない指標となっている。
本KPIは次々回の端末更新のための目安となる重要な指標であり、かつ次回端末更新の仕様書「公立学校情報機器整備事業に係る各種計画の策定要領」に各種計画へ盛り込むべき観点として掲載されている(現時点では未確定のため参考資料)。
既に収集済の地方自治体からの意見には「KPI案はいずれも妥当」「教育情報セキュリティポリシー策定済の自治体100%という指標は市町村に働きかけを行う際の後押しになり、ありがたい」など肯定的な意見も多い。
また地方財政措置について「指導者用端末の整備やICT支援員の配置をKPIとするならば地方財政措置の積算額を示して」という要望や「次世代の校務支援システムの定義を明確に」という要望も上がった。
FAX使用原則廃止については「送信先側のニーズに合わせてFAXを選択している状況もある」、ゼロトラストのネットワーク環境構築については「予算確保のための補助を期待」等、KPI達成における現時点での課題も指摘された。
当日の討議では「ICT支援員4校につき1人という指標ではなく実質的なものがわかるような指標に。週1回訪問とするならば3校につき1人程度が望ましい」「深い理解への効果計測も検討して」などの意見も出た。
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現在、準備が進んでいるGIGA端末更新については第2期GIGA端末のスペック向上箇所を比較して示した。OSは最新とし、画面の大きさも最低サイズを10㌅に変更。キーボードと共にタッチペンも必須とした。またOS事業者が提供するライセンスのバージョンアップ費用も補助対象としている(表参照)。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年3月4日号掲載