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教育ICT

NEXTGIGAの成功へ 次期ICT環境整備方針 方向性固まる

2024年3月5日

NEXT GIGAにふさわしい学校ICT環境整備指針を策定するための検討が進んでいる。

中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会の下に設置された次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ(主査∥高橋純教授・東京学芸大学)の第3回会議が2月22日開催され、基本的な方針と学習者用端末や1人1台環境、大型提示装置等周辺機器、ICT支援員の考え方について討議。

次期ICT環境整備指針は現行から大きくステップアップしたものとなりそうだ。本整備方針は2025年度からの学校ICT環境整備のための地方財政措置の積算の基本となる。

■これまでの学びと異なる基盤を整備

冒頭の基本方針には「1人1台端末をはじめとする学校のICT環境は、これまで通りの指導や学習を効率化するためのものではなく個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図る上で必要不可欠な学習基盤」と記載。

整備目的が「これまで通りの指導を効率化することではない」ことが明確に示されている点が委員から高く評価されていた。

■学習者用端末は学校段階で書き分け

学習者用端末については義務教育段階と高等学校段階を書き分ける。

義務教育段階では既に2023年度予算により1人1台端末整備に関する経費の3分の2相当の国費支援が決定しており、本整備指針では地方負担分である3分の1相当を経費として講じる。

高等学校段階の1人1台端末整備については現行のICT環境整備指針によりに3クラスにつき1クラス分の経費が講じられており、次期整備指針でもこれを踏襲するとともに低所得者層への支援や予備機に対する経費が講じられる予定。

■クラウド前提の学習用ツールに

学習用ツール等で最低限必要なもの(ワープロ、表計算、プレゼンテーション、インターネットブラウザ、コラボレーションツール、Web会議等のツール)は1人1台端末に標準実装される汎用のクラウドツール(Office365、GoogleWorkspace、Apple製アプリ)の利用を想定している旨を記載。

ブラウザを通してクラウドにアクセスすることを基本とする。学習領域としてクラウドストレージが費用なしで活用できることから学習用サーバは設置しない方向。

クラウド活用については委員から「クラウドが制限されすぎ、その利便性を実感できない環境のまま個別最適な学びを求められるという苦しい状態にある学校がある。これを解決する方策が必要」と指摘があり、クラウド環境の設定を仕様で固めず、実態に合わせて適宜変更できる柔軟な仕組みとすることを提案した。

AIドリルやデジタルドリル等を対象にした財政支援の適否については現状の費用負担や教材整備指針との関係等に留意しつつ今後検討する。「紙に印刷するものから自分でふり返りできるものまで様々なドリルがある。令和の日本型学校教育の実現を目的とするならば子供に委ねることができるシステムの選定が望まれる」と指摘された。

生成AIツールについては有償レベルの検討も視野に入りそうだ。

■充電保管庫から「充電装置」へ

大型提示装置や実物投影機は継続して整備方針に盛り込まれる方向。ただし「大型」の再定義が必要ではないかという指摘もあり、複数ディスプレイの設置も含めた新たな提示環境が示される可能性がある。

第1期GIGAで固定設置が必須とされた充電保管庫は「充電装置」と表現。バッテリー消耗や充電忘れ、予備機保管等の対応を想定した整備となりそうだ。委員からはモバイルバッテリー配備も検討すべきと指摘された。

■ICT支援の内容は常に更新が必要

ICT支援員については委員から多くの具体的な指摘があった。

端末等活用が進むほど求められる支援内容は高度化する一方で、端末活用が進んでおらず学校現場のニーズが高まっていない学校ではICT支援員に仕事が依頼されない、もしくは学校で顕在化している問題のみ対応しているに過ぎず学校DXに向かっていないという課題があり、財務から「ICT活用に慣れたから配備しなくて良いのでは」と打診される自治体もあるようだ。

そこでICT支援員の能力に応じた処遇改善、優れた支援能力を持つ者の教育委員会職員配備、学校事務職員等としての登用、ICT支援員ではなくICT支援全体の問題とすること、ICT支援の具体的内容を整理して遠隔監視システムやヘルプデスクで可能な業務と学校訪問が必要な業務を切り分けて高スキル人材を確保しやすくする、ICT支援員が学校の目指す姿を提案・具申するような立場とするため一定の資格取得を奨励かつ補助しながら現場で人材育成も行う、管理職と共にICT支援員も研修に参加する等の様々な意見があり、整理を進める。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年3月4日号掲載

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