新潟市立松浜中学校の関野幹裕教諭は中学校技術家庭科「情報」分野で「かしこい生成AIを育てよう」に取り組んだ。
色や形(グー・チョキ・パーなど)をAIに機械学習させる過程を生徒に体験させた。学習が進むにつれ、赤いものを見せると「赤いね」、グーを見せると「グーだね」とキャラクターがコメントするようになる。
顔認証も体験。「阿部寛」13枚、「シソンヌ」19枚、「ジョン・レノン」23枚を機会学習させ、関野教諭が最初にカメラに向かって類似度を判定。すると「阿部寛」度が最も高かった。生徒も実際に体験する中、「診断がおかしい」「AIは何を見て判断しているのか」「自分たちは顔の類似度で判断するが、AIには顔の認識がないのではないか」「機械学習する際に顔のみ切り抜くことで正確性が高まるのではないか」という気付きにつながった。プログラミング言語はStretch3(ストレッチスリー)(拡張機能を使えるように改造したScratch)と拡張機能TeachableMachinを利用。これは画像・音・ポーズ情報を機械学習できるもの。関野教諭は「45分間で色、形、画像を機械学習させるという体験から得た気付きにより、生徒の作成する資料等の成果物に変化が表れた。相手との認識のズレを可能なかぎり生じさせないように画像加工処理に気を遣うようになるなどの配慮が見られるようになった」と報告。メタ認知能力にもつながる変化が見られたようだ。「今回の実践は中学校だが、小学生であっても機械学習の仕組みを体験することはでき、学習効果が期待できる」と話した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年2月5日号掲載