福岡教育大学附属小倉小学校では、「学びを愉しむ授業づくり」において、ICT活用をどのように組み込むか、実践的な研究に取り組んでいる。今年度は、個の選択・決定を中心に据えた授業改善を軸として、個別最適な学びで1人1台端末をどのように活用するかを明らかにする。授業改善の視点として「自分らしく問題解決を進めるための支援」と「他者と関わる必然性を生み、考えを深め広げるための支援」の2つを挙げている。
まず「自分らしく問題解決を進めるための支援」として端末活用の選択・決定が挙げられる。子供たちが学習ツールとして情報端末を選択し、自分なりの学びを進める。その際に、子供自身が学習履歴をどのように活用するかがポイントとなる。次に「他者との関わる必然性を生み、考えを深め広げるための支援」では考えを共有・関連づけ、思考の可視化、問いの焦点化を図るなど、子供たち自身がクラウド環境をフル活用し、他者の考えを閲覧・参照・評価する活動がポイントとなる。例えば2学年算数の授業では、各自が切り分けた図形をクラウドで共有し、どのような考えで作成したかを説明しあう場面を設定した。子供たちは他者の考えを自ら閲覧・参照しながら自分の考えをさらに深めようとしていた。これらの取組は2024年2月2・3日の研究発表会において授業が公開される。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載