夏休みにプロのコーチと一緒にタイピング特訓できるオンラインイベント「タイピングキャンプ2023」が開催され、幼稚園児から中学生まで2000人以上が参加した。主催は子供向けプログラミング教室「プログラミング教育 HALLO」。同教室はやる気スイッチグループとPFN(Preferred Networks)により展開されている。
今年3月に公表された文科省「情報活用能力調査」によると、キーボードによる1分間あたりの文字入力数は小学5年15.8文字、中学2年23.0文字、高校2年28.4文字。
一方で、1分間の文字入力数が5文字以下の児童生徒が小学5年で17.6%、中学2年で3.8%、高校2年で1.1%いることが課題として挙げられている。
小学校学習指導要領では「児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動」の計画的な実施を明記しており、小学校の早い段階からの指導が求められている。
「タイピングキャンプ2023」はタイピング練習教材「Playgram Typig(プレイグラムタイピング)」を使って、プロのコーチや全国の仲間と一緒にタイピング特訓ができるオンラインイベント。
Zoomでキャンプに参加した子供たちは一緒に指を動かす体操でリラックスした後、全員でホームポジションの「J」と「F」を確認し、プレイグラムタイピングを使って15分間、個別に練習問題に取り組んだ。コーチは「前屈みになっているよ、背筋を伸ばそう」「速さよりもミスをしないことを目指そう」と声がけ。
参加した児童は「沢山の人と一緒にできて楽しい。指を見ないでタイピングできるようになりたい」「学校でもプレイグラムタイピングを使って休み時間に練習している」と話す。
キャンプは7月25日と8月22日に実施。4日間1セット、8時と9時の2枠あり、各回30分間。毎朝決まった時間に取り組むことで夏休み中の生活リズムを整える狙いもある。参加者には15日間・15分間のタイピング練習に取り組むためのスタンプカードが配布され、キャンプ後も継続して練習できる。
初開催の昨年度が好評だったことから今年は増枠して開催。全国の幼稚園児から中学生まで2000人以上が参加した。
プログラミング教育 HALLOのレッスンでも使用されているプレイグラムタイピングは、PFNが開発した無料で利用できるウェブブラウザアプリで、全国の小中学校にも導入されている。「れんしゅう」、苦手なキーを練習する「とっくん」、「うでだめし」と3つのモードがあり子供が自走できる。
担当者は「タイピング力だけでなく全国の仲間とZoomで集まることでリテラシーも向上する。練習は各自のスキルやペースで進めることができ、個別に取り組みながらも、コーチや仲間がいるので楽しみながら続けられるようだ」と話した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年9月4日号掲載