13大学(研究室含む)が対話型AIを活用した「デジタルキャンパスコンソーシアム」を始動した。これは、各大学が所有しているFAQデータをAIにより分析・解析し、各大学共通の悩みをFAQ化して共有する試みだ。システム構築はPKSHA(パークシャ)。13大学は次。なお東京大学も今後加わる予定。▼岩手大学▼金沢星稜大学▼九州産業大学▼京都橘大学▼静岡大学▼城西国際大学▼西南学院大学▼千葉大学▼東京大学大学院工学系研究科▼東京理科大学▼同志社大学▼文教学院大学▼立教大学▼APU
窓口業務は、入学前や在学中、進路選択時などで質問内容は多岐にわたり、また、情報センターや入試課、学生支援課、教務など課により届く質問も異なる。例えばZoomの接続方法やパスワード忘れ、併願方法やオープンキャンパス情報などだ。そこで13大学が持つFAQ集や対話履歴を分析して自動生成AIアシスタントが対応できるようにし、多言語対応も実装。これにより24時間365日対応が可能になり、自己解決率は約70%と業務効率化を図ることができた。
個別対応が必要な問合せについては職員が対応。通信教育課程を含めて9学部15学科を擁する京都橘大学ではMicrosoftTeamsと連携して対応しているという。
立命館大学では、同学で行っている「教育開発DXピッチ」で優秀賞を受賞した「学生の自分探しを応援する探究型コンシェルジュ」を構築中だ。これは将来の希望や本人の興味関心を基に学生の潜在的興味関心や適性を分析。AIが最適な学習やゼミ、研究室等を提案するもので、学生の「自分探し」を後押しする。7月中にプロトタイプで効果検証を進める。
PKSHAでは今後の展開として、授業や履修登録のサポート、メンタリング、個別学習、キャリア相談、AIチューター等、教育満足度を向上するAIアシスタントの提案など「学生とAIが対話する」体験を拡大し、「デジタルキャンパスコンソーシアム」を100大学まで広げる考えで8月7日、大学関係者向けに「デジタルキャンパスコンソーシアム」説明会を開催する。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年8月7日号掲載