「デジタル採点で『速い・正確』は当たり前。授業づくりや自学に役立つツールとしたい」という思いから開発された「EdLogクリップ採点支援システム」は、教員の指導・評価を支援する採点支援・指導改善ツール。教育工学の研究者で博士でもある開発者が100名以上の現職教員と実証し、教員が採点業務に求める機能を実装した。
EDIXのNECブースでは、新バージョン4・0を初公開する。
日常的なテストは入試や模試と異なり「理解できていないところをキャッチアップ」するためのもの。平均点は比較的高く「マル」が多い。そこで本ソフトではマウスで「バツ」をつけることで採点を進める。また、最新バージョンでは、キーボード操作のみで採点操作ができるようにした。
バツ付け終了後、成績システム入力用のデータが自動で生成。答案として返却する際に正解箇所のマルは自動で記載される。
「マルは大きく、バツは小さくしてコメントを記載したい」という教員の声に応え、マルバツ等の大きさを任意で変更できる。
答案用紙の不正解箇所にコメントを手書き入力で書き込むことができ、さらにより多くの詳細なアドバイスや参照URL等を追記できる別ウインドウを用意。記入したコメント等は保存・蓄積され、別の児童が同じ誤りをしていたときに選択するだけでよい。
答案を返却された児童生徒は不正解箇所の追加コメントを参照して学習を進めることができる。URLは、クラウド返却の場合はリンク先を参照。紙返却の場合はQRコードに変換される。
「模範解答」には、教員がすべての児童に記入したコメントを同時に表示・印刷でき、採点終了と共にテスト結果を活用した授業資料を生成(特許取得済み)。表示したいコメント量によりレイアウトは調整可。
得点順や出席番号順に加え「前回のテストと比較して伸びが大きい児童生徒順」(差分得点差順)にソートできる(特許申請中)。得点や観点、平均点の推移をグラフ化して出力する分析シートも提供。
採点の際は、任意の複数クラスを問題別に採点できる。また、任意の児童のみ先に採点したり、後日欠席者などを採点した際も全体のデータに追加できる。
従来の手作業での採点では「誰が何点だったか、どのような間違いをしたか」が採点をした教員の記憶に残りやすいがデジタル採点の場合、記憶に残りにくいという声もある。そこで、本ソフトでは答案用紙のプレビュー画面も提供。紙採点のときの自然な操作感をオンラインで実現した。
研究成果として基本機能を無償で提供。有償版の機能も3か月間は無償で利用できる。個人申し込みの場合、PC2台までインストール可。なおクラウド連携し、GIGAスクール環境へのオンライン返却も別途オプション提供。
西宮市教育員会、八戸市教育委員会、上越教育大学附属中学校、新潟大学教育学部附属長岡中学校、荒川区立日暮里第一小学校、立命館小学校、立命館守山中学校高等学校など6万ライセンス以上が活用。日常の採点業務のほか、入試の採点に活用している学校もある。▼詳細・問合せ=https://www.edlog.co.jp/ information@edlog.co.jp
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年5月1日号掲載