久喜市教育委員会(柿沼光夫教育長)はGIGAスクール構想で整備したインフラを活用し、「久喜市版未来の教室」構想の下、汎用的な能力を育む先端技術を活用したSTEAM教育を推進している。
まず、STEAM教育研究委員会を設置。
市内31校から推進役となる教員が集まり、各校の中核となる教員の育成や、授業実践を全校で共有する仕組みを構築した。教員研修では、久喜市教育委員会の指導主事が積極的に研修や支援を進めている。例えば、指導主事がSTEAMラボを設置したり、ICT活用に関する情報発信サイトを更新したりして、教員研修の充実を図るようにしている。STEAMラボでは、プログラミング教材を活用したり、3Dプリンタを用いたもの作りを体験したりすることができる。プログラミング教材については、管理職や教員が実際に体験して教材を選定するようにした。
久喜市立砂原小学校では2年間の研究指定を受けて、「ワクワクをカタチに」、「子ども×テクノロジー」をテーマに、STEAM教育の授業研究を進めている。本取組により同校では、教師の授業を観る視点が変わってきたという。従来の「正解」や「成果」を求める見方から、学習者の学び方やその過程(プロセス)を探る見方に変わってきている。校長のリーダーシップのもと、全学年・全教員が探究的に授業研究に取り組み、授業づくりを改革している。10月に予定している研究公開ではSTEAM化された学び、そのカリキュラム・マネジメント等を広く公開する予定である。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年5月1日号掲載