2017年度、BYODで情報端末(Chromebook)を全生徒に配備した際、探究を中核としたカリキュラムを編成して情報端末等ICTの活用も埋め込み、すべての教員や生徒が使わざるを得ないようにした。
探究のための基礎的基本的なスキル習得と演習は、1年次1学期に実施。インタビュー方法や情報モラル等も含めてここで集中的に学ぶ。新任の教員も、ここで学ぶようにした。
さらに、月1プロジェクトとして様々なジャンルの専門家を呼んで視野が広がるようにした。
1年次の2学期以降はテーマをある程度決めてグループで探究活動を行い、11月から1年以上かけて1人1課題を決め卒業論文を1万2000~2万4000文字程度にまとめている。
1人1課題=105課題を学年18人で担当することは難しい。そこで水曜日の5時間授業の際、卒業論文が始まった生徒のみ6時間目を設定。1教員あたり5~6人を担当し、全教員で対応している。探究的な学びを全教員で取り組むことで、各教科の学びも探究的な学びの概念を盛り込んで進めるようになった。
端末を使ってコメントをつけ合う授業がたくさんある。重要なのは、コメントを書きこんで終わりにはしないこと。コメントは、対話のためのメモである。
3年社会「地方自治」では、自分で自治体を選択してそこの自治体の課題を指摘して解決策を考え、改善案を提案することに挑戦した。
GIGA端末の導入が始まり、1年次1学期のリテラシー研修は今後、不要になる可能性がある。中学校は、小学校で取り組んでいることを理解してカリキュラムを考えなければならない。
このような授業をしないと解けない問題が年々増えている。前回の全国学力・学習状況調査でも、教科融合でグラフや表を読解して自分の意見をまとめ、提案する出題がある。入試のためにも、授業を変える必要がある。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年4月3日号掲載