「表を使って考えよう」(1)の授業を公開。文章題を表にまとめ、変わり方の決まりを見つける内容だ。Googleクラスルーム上には単元の目標とその日のルーブリック、本時の流れが記載されており、児童はそれを確認してから学び始める。
文末には太字で「チャットをアウトプットの場として積極的に使おう!どんどん立ち歩いて学びを深めよう!」と書かれている。
この日の流れは次。【課題の設定】問題や情報から課題を立てる【情報の収集】問題から情報を収集。既習事項と比較して共通点を見つける【整理・分析】集めた情報を整理して条件に合う組み合わせを見つける、見つけ方の説明をする
ルーブリックも具体的だ。 ▼C=表を用いて条件に合う組み合わせを見つけようとする ▼B=Cプラス条件に合う組み合わせを見つけることができ、見つけ方がわかる ▼A=Bプラス見つけ方の説明ができる ▼S=Aプラス表の良さも踏まえて説明できる
児童は、自分のレベルに合わせて協働学習、チャット、立ち歩いて相談をする。レベルも0から3まで具体的に示している。 ▼レベル0=先生に聞きに来る、動画を見て理解する ▼レベル1=クラスルームに載っている適応課題に取り組む ▼レベル2=「4」にヒントスライドを見ながら取り組む ▼レベル3=「4」に取り組む
「4」の問題が解けた児童はノートに説明を記述し、スレッド別チャットに写真で解答や説明を掲載したり、立ち歩いてアウトプットしたりしていた。
「なぜ水が飛ぶのか説明しよう」の授業を公開。
前時の空気の実験をふり返り、空気の体積は小さくなることを確認。この日は水の実験だ。実験を通して、水でっぽうの水がなぜとぶのかを考え、説明する。児童はクラスルームに配布された実験方法を確認。大型提示装置にも同じ画面が映っており、実験中にいつでも確認できるようにしている。
実験の様子は情報端末を使って撮影。実験が終了したら結果をまとめる。他のグループのまとめを参照しているグループもある。なぜ水が飛ぶのかについての説明は、1人ひとりGoogleフォームに記入。わからない児童は他の児童の説明を見ても良いこととしていた。
流れる水の働きと土地の変化についての学習。2つの写真を提示して前時までの学習を振り返り、学習課題「土地の様子を大きく変えるのはどのようなときかまとめよう」を確認。jamboardを使って実験結果からわかったことをGoogleスライドにまとめる。
風、水の勢い、水の量など、児童が選択した項目について考察。まとめ終わった児童はチャットに参加したり、移動してペアになって考察を深めていた。
公開授業後の研究協議会で、授業指導者である佐藤和紀准教授(信州大学)は出川小学校の特徴について説明した。
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出川小学校の授業には次の特徴がある。▼教科書の見方を教えている ▼いつでも個別・協働の学習環境を設定している ▼チャット上で常に考えを共有している ▼同じ方法・考えの仲間で集まって討議・協力している ▼低学年から「比較して考える」ことを教えている
各自の端末で整理・分析できるため、比較しやすく、互いの考えの違いに気付きやすくなり、整理・分析の個別化につながっている。
1時間の学習の見通しを1年生から持つ指導を継続しているため、Googleクラスルーム上に学習予定などを上げることで学習が進んでいる。授業中、遊んでいる児童はいない。自律した学習者が育っているのは、低学年から学習規律を徹底していること、見方・考え方を教えているためだ。
学習の流れが既に確立しているので、異動してきたばかりの教員も安心して授業ができている。