石川県立金沢錦丘中学校・高等学校(嶋耕二中学校長・朝田肇高等学校長)は、2014年に併設型中高一貫教育校としてスタートした石川県内の唯一の公立中高一貫教育校である。
生徒の主体的な学びを進める中で、1人1台端末を活用して学校と家庭で主体的な学びを連携させ、児童生徒の情報活用能力を育成するとともに、家庭学習の充実に努めている。
中学校では、1人1台端末環境を活かして、探究レポートに取り組んでいる。現在、理科学習や総合的な学習の時間等の探究的な学びを中心にして、学校や家庭での学びを進めている。
「レモンはなぜ酸っぱいのか」「虹はどうしてできるのか」など、生徒が自ら設定した学習課題を自力で解決する学習で1人1台端末を活用している。これまでに、150作品以上がクラウド上で共有されており、それらはアーカイブ化して蓄積されている。
中学校社会科の授業では、地元新聞のデジタル版を活用した取組をスタートさせている。
英語の授業では、生徒がデジタル付箋で意見を共有して、情報端末で英文を書いてまとめていた。これらは、すべて英文で書き上げている。
高等学校の理科では、各自の実験結果を考察した内容をクラウドで共有し、テキストマイニングで集約して、更に深く考えていた。また、数学では、グラフ作成ツールを活用して、関数の特徴を各自が分析できるような活用場面を設定している。国語では、思考ツールを活用した協働的な学びを展開していた。
これら中高一貫した教育において、生徒の深い学びを支えているのは、教師の教材研究による学習指導の質の高さである。まさに、伴走者として学びを支える教師の懐の深さを感じる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年12月5日号掲載