卒業アルバム制作は生徒・児童の写真選択・調整に多くの時間を要する。それを効率化する画期的なシステムが、クラウド上で作業できる「アルバムスクラム」(エグゼック)だ。文部科学省「働き方改革事例集」にも導入校である千葉県柏市立手賀西小学校が好事例として紹介されており、その他の導入校からは「4~5割程度の作業時間が軽減できた」「5~6回集まっていた写真選定作業がすべてオンラインででき、コロナ禍でも密を避けることができた」という声が届いており、2020年のリリース以来、導入が進んでいる。
「アルバムスクラム」は、候補写真やレイアウト原稿画像をアップロードすると、生徒・児童の顔をAIが認識し、レイアウト上にどの子が何回掲載されているか、どの場所で写っているのかを一瞬で把握・表示できる。これによりこれまで目視で登場回数を確認し、生徒・児童名簿に「正」の字を書いてチェックしていた作業が大幅に削減できる。登場回数が少ない生徒・児童の写真の差し替えをする際、通常であれば大量の写真の中から写真を選択し直す必要があるが、「アルバムスクラム」では選択した特定の生徒・児童が写った写真だけを抽出。拡大表示も可能で、候補写真の選定作業負荷も軽減される。
コロナ禍でマスクを着用した学校行事の写真が多くなっており、生徒・児童の判別が難しくなっているが、高精度の顔認識AIがマスクを着用した写真でも、眼鏡をかけるようになってもおおむね正しく認識。小学校では1年生の時と6年生の時の顔の変化を把握しにくい面があるが、それも逃さない。クラウド上ですべて作業できるため、写真選択・登場回数確認・校正作業において学校に集まる必要がない。教員と保護者、写真館間でやりとりできる「スマート校正リクエスト」機能により、オンライン上でのレイアウト修正の指示も可能。ある学校では、GIGAスクール構想配備による1人1台のタブレット端末を利用して生徒・児童が「アルバムスクラム」上で卒業アルバム用の写真を選択した。楽しく選ぶことができ、かつ顔認識という再先端のテクノロジーに触れる機会にもなった。
「アルバムスクラム」は、卒アル制作で取引のある既存の写真館を変えることなく利用可能で、レイアウトソフトやアルバム製本メーカーなども変更することなく利用できる。
2022年4月に「AI自動セレクト」機能をリリースした。これは、卒業アルバムに特化したAIだ。
登録された膨大な候補写真の中から、卒業アルバムにお勧めの写真を自動でセレクト。卒業アルバムで良く使われるシチュエーションや笑顔などの表情、生徒の登場回数の均一性も考慮するAIだ。
膨大な時間をかけて行われていた写真選定業務に、大幅な効率化が期待できる。
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教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年11月7日号掲載