熊本県益城町は、2016年の熊本地震で甚大な被害を受け、町一丸となって復興に向けて取り組んでいる。益城町教育委員会(酒井博範教育長)は、震災発生から学校再開までの復旧に学校や地域とともに取り組み、「児童生徒の良さを認め・励まし・伸ばす」教育を進めている。また、震災からの復興とGIGAスクール構想の推進を契機として、1人1台端末環境の運用だけでなく、他の領域との連携を図りながら、その有効活用に取り組んでいる。
特に、町が力を入れているのが小中連携教育活動だ。中でも「英語教育とICT活用のベストミックス」を推進している。2022年3月から、オンラインを通した小中連携の英語交流を始めた。まず、小学校6年生が将来の夢を英語で中学校に伝える活動を進めた。中学校の生徒からビデオメッセージを受け取った6年生は、中学校生活のイメージを深め、さらには自ら将来の夢を発表して、英語で伝える楽しさを実感できた。さらに、1学期にはALTの音声とピクチャーカードを合わせた動画を制作し、2学期から町内全ての小中学校の英語授業で活用し始めている。情報端末を活用して児童生徒が自ら発音をし、繰り返し練習し、主体的な表現活動につなげた。
これらは、1人1台端末をとにかく使うといった導入段階から、授業や教科等の目標達成につながる活用期の段階に進んでいる。これらの取組の成果が評価され、2022年7月に学校情報化認定の先進地域に認定された。英語とICT教育のベストミックスへの取組で先進地域になった益城町の復興に今後も注目したい。
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教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年11月7日号掲載