次年度の学力調査のため、各教育委員会は本年11月18日のMEXCBT利用申込までにどの学習eポータルを活用するか選択する必要がある。MEXCBTは学習eポータルにアクセスすることで利用できるようになるからだ。そこで次年度4月時点で、全国学力・学習状況調査・中学校英語「話すこと」等で活用できる7社が各社の特徴や有料・無料の切り分け、現在提供する機能、今後の開発予定等を説明した。なお7社のうち5社は既に申込受付中。
内田洋行が提供。2022年9月現在、教育委員会・学校法人約500団体・約6000校・約230万アカウントがL-Gateを採用している。小中連携機能で、市内であれば転校・進学してもアカウントは継続して活用できる。
9月より新機能をリリース。名簿連携機能により、年次更新を効率的に行えるようにした。教育委員会で一括導入していれば、市内で転校の際も中学校に進学する際も、在籍校がその子供の進学先や転校先を設定するだけで情報が自動的に送付される。
MEXCBTから提供される学習課題を、教育委員会が域内の全学校に一斉配信する「一斉配信機能」を装備。最小限の労力で2023年度の英語「話すこと」調査を行えるようにした。
学校では、教員等が学年・クラスを選んで配信する機能と、個別に配信する機能がある。教育委員会による一斉配備機能と学校による個別配信機能はL-GATEの独自機能だ。
各種デジタル教材連携機能も搭載。すべてをシングルサインオンで活用できる。2022年9月末現在、15団体29の有償・無償コンテンツと連携。今後も増やす。
L-Gateを採用している新潟市教育委員会は、教育委員会一斉配信機能を使ってMEXCBTの「健康に気を付けたGIGA端末の使い方確認チェックテスト」を実施。市内167校5万411人に一斉配信した。
片山敏郎副参事・指導主事は「一斉配信機能がない場合、各校でテスト配信設定をする必要があり、そのために教育委員会はマニュアルを用意したり研修を行ったりしなくてはならず、大きな負担になること、一部の学校がスムーズに実施できない可能性があることが予想され、教育委員会はその場合の対応も考える必要がある。教育委員会が一斉配信を行うことで実施状況もすぐに確認でき、今後の活用の可能性が広がる」と話している。
埼玉県鴻巣市でもL-Gateを活用してMEXCBTにより学力調査の接続確認調査を実施。「通常であればIDやパスワードが必要だが、L-Gateにログインするだけで実施できた」という。同市では名簿連携機能により年次更新も行っている。
今後の機能拡充については、学習課題の結果を可視化する「スタディログ機能」や児童生徒の日々の生活を記録する「毎日の記録」機能の搭載などを予定している。
なお同社では、学習eポータル「L-Gate」導入検討セミナーをオンラインで実施。10月は8回、11月は3回行う。各回90分。日程詳細=https://www.info.l-gate.net/event
NTTコミュニケーションズが提供。「まなびポケット」は約400万人の申込IDがある。
Googleアカウント、Microsoftアカウントのシングルサインオン機能、利用者情報管理・出力機能、学習コンテンツ・ツールとの名簿連携機能、Webサイトブックマーク機能、保護者ID登録・管理、保護者からの出欠連絡登録、保護者デジタル連絡帳、利用ログ/利用状況レポートなどを無償で提供。
今後提供予定かつ無償なのは、校務支援システムからの名簿連携や他の学習eポータルへの名簿情報連携(いずれもOneRoster対応)、保護者スマートフォンからの出欠連絡の自動集計・出力、保護者向けやること連絡・カレンダー機能など。OneRoster対応は2023年度中に必ず実装する。WebQU×CBTによるクロス集計・可視化も提供(WebQUは有償)。
ゼロトラスト対応に向けた多要素認証機能は11月から有償で提供。このほか一部学習コンテンツ、学習コンテンツ使い放題プランは有償。なお今年度中は「事例で学ぶNetモラル」(アニメーション及びCBT機能)を無償で提供。
現在学びの質をデータ化する実証研究を実施中で提供を予定している。
オンライン研修会をほぼ毎週実施。10月は毎週木曜日に「初期設定」「基本操作」について行う。ユーザ対象のオンラインQA会も実施。▼詳細=https://manabipocket.ed-cl.com/e-portal/
COMPASSが提供。児童生徒の理解状況を把握して最適な教材を提供するAIドリル教材「Qubena」が学習eポータル機能を実装した。「Qubena」はサービス提供開始3年で100万人ユーザ、2300校以上の小中学校で活用されており、データの蓄積に伴いAI精度が高まっている。
AI型教材提供会社としてAI分析に強味があり、日々の学習を軸としたデータ連携・分析が可能だ。
グループ機能で受験対象の子供やグループを作成して問題を配信できるので、年度更新の完了状況に左右されず、問題配信が可能だ。問題配信の手順は、QubenaもMEXCBTも同様だ。
ツムギノやEDUCOMマネージャC4thなどOneRoster準拠の校務支援システムとキュビナ以外のデジタル教科書・教材やMEXCBTとアカウント・名簿・評価を連携してデータ利活用サービスを提供する(2023年以降連携予定)。また、ブックマーク機能を今後追加予定。
現在、「Qubena」新規利用自治体対象に2024年3月まで本教材を無償提供中。
10月5・13日15時よりオンライン説明会を実施。10月12日16時より埼玉県新座市が活用事例を報告する。▼詳細=https://qubena.com/
スタディプラスが提供。デジタル教材と紙教材の学習管理を生徒自身で一元管理できるアプリ「Studyplus for School」は、様々な教材を登録でき、それぞれの学習時間や振り返り、ノートの写真等をすべて登録できるもの。生徒に顕著な変化があった場合、アシスタントメッセージを教員に送付。タグも設定でき(1週間で2時間以下等)教員は、支援が必要な該当生徒への一斉配信もしくは個別配信できる。保護者のコミュニケーションツール(LINE)への送信もできる。オンライン学習サービス『スタディサプリ』と学習データ連携も予定。2023年夏以降に開始予定。MEXCBT以外の学習管理機能等については月額330円を予定。
11月1日にオンライン説明会を開催。▼詳細=https://fs-help.studyplus.co.jp/ja/
NECが提供。同社はGIGAスクール構想で約140万台の端末を出荷しており、OPEの申込IDは約220万ユーザ、サポート利用は約100万ユーザ。OPEでは、次の基本機能を無料提供。▼シングルサインオン・ID管理。Google/Microsoftとの認証連携にも対応 ▼ダッシュボード機能=ポータルから利用したアプリの利用履歴やMEXCBT受験結果を可視化 ▼教員から児童生徒にお知らせ配信 ▼時間割機能=時間割をクリックすると登録した科目の教材一覧が表示
Chromebookの利用状況を可視化する「学びの様子見える化サービス」の販売を開始。学校や家庭で、児童生徒が端末を利用した時間やアプリケーション・Webコンテンツの利用履歴、端末操作頻度などを見える化。教育委員会は、学校毎の端末利用時間、教材やアプリケーションの利用状況を把握できる。辞書やドリル、連絡ツール、英語やプログラミング教材、授業支援ツールほかの教材・ツールも有料で各種提供。無料・トライアルで使えるサービス・コンテンツも用意。現在、協働学習支援サービスについて京都市と実証・開発中で今年度中にリリースする。オンライン進路相談サービスも実証中。セミナーも開催。▼詳細=▼詳細=https://jpn.nec.com/educate/ope/index.html
両備システムズが提供。同社は統合型校務支援システム「RYOBI-校支援」や保護者連絡アプリを提供している。MEXCBT活用のほか保護者連絡アプリ、学習帳アプリ、校務支援ポータブルアプリとLMSを連携してダッシュボード化してデータの見える化を図る。学習情報・生活情報・健康情報などを分析して学力低下リスクの高い児童生徒をアラート機能で知らせるようにする。また、児童生徒アプリ等こどもDBから見守りが必要な児童生徒を早期発見する。
シングルサインオン、MEXCBT活用、名簿連携(OneRoster対応システム)、LMS対応などの基本機能は無償で提供。ダッシュボード機能については、MEXCBTのみは無料だが、各種学習管理と連携する場合は有料。
デジタル教材(現在30社程度と調整中)及びドリル教材、独自アプリケーション(保護者連絡、学習超等)は有償提供。2022年11月から申込開始・2023年2月より利用開始予定。▼問合せ=sales.education@ryobi.co.jp
ネットラーニングが提供。MEXCBT利用のための構築費用・学習eポータル機能利用に関する初期導入・利用料・各種サポートと一部の学習教材を無償提供。シングルサインオン機能は2024年度の連携開始が目標。ダッシュボード機能は開発中。オープンバッジ対応は開発予定。連携する学習教材については複数社と協議中。将来的には大学・社会人の学びポータルの役割も視野に入れている。2023年度全国学力・学習状況調査・英語「話すこと」調査で利用開始できるようにする。▼問合せ=nl_L-portal@nl-hd.com
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年10月3日号掲載