8月26日、Zoomは教育機関向けサミットを開催。大分県教育庁高校教育課の釘宮隆之主幹は、活用が進んでいるZoomの理由と、県立高校7校に導入したZoomRoomsの使い勝手について報告した。
大分県では全教職員がZoomのアカウントを持ち、Zoomを積極的に活用している。配備の際には7ステップで研修を行い、簡単なマニュアルを配布した。
活用が進んだ最も大きな理由は教育活動以外でも積極的に使うことを推奨したからではないかと考えている。
活用状況を見ると、土日や深夜、県外や海外とつながっている様子がわかる。利用目的に制限をかけなかったことで自主的な活用が始まり、結果教育利用が伸びたのではないか。
校外のイベントや研修にオンラインで気軽に参加できるようになり、出張負担が軽減した。また、海外や県外からも講師を招聘したり打ち合わせを気軽に設定したりできるようになった。
県の教職員2360人の出張や研修を参集からオンラインにすることで、1回につき約2500万円の経費が削減できる。
遠隔授業のためにZoomRoomsを7校で運用している。結果、こんなに違うのか、と入れてみて初めてわかった。予算が許すなら全校に導入したいと感じた。
まず、使い勝手が圧倒的に楽。Zoomも簡単で便利ではあるが、難しいと感じる教員もいる。しかしZoomRoomsは「電源を入れる」「相手をクリックする」だけでオンライン接続ができ、使っている様子を1度見ただけですべての教員が使うことができる。マニュアルも研修もほぼ不要で進めることができた。
これまで様々なICT環境を配備してきたが、「使い方」に慣れるための時間が必要で、それを使って何をするのか、にたどりつくまでに時間がかかっていた。それとは異なる手応えを感じている。
9月からある学校でフルタイムの授業配信に挑戦する。まだ単位認定はできないが、様々な理由で登校できない生徒も授業を受けることができるようにする。普段の授業のすべてをリアルタイムに配信。事後のオンデマンド配信も検討中だ。さらに、VRを利用した学びや、ドローンや人工衛星からのライブ映像配信にも挑戦したい。大分県は宇宙に力を入れており、実現できると考えている。視察も積極的に受け入れている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年9月5日号掲載