SDGsを身近に理解できる
「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」
新たな学びを推進するための教材が求められている。教員向け総合プラットフォーム「master study」を提供しているストリートスマートは、金沢工業大学及び株式会社LODUと2021年9月から学校でSDGsの学びを深めるための共同研究を進めている。
金沢工業大学は子供たちがSDGsに対して興味を持って主体的に学びを進められるようにゲーミフィケーションの要素を取り入れた教材を複数開発。共同研究では、その1つである「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」に取り組む際の前後の学習カリキュラムやプロセスに、協働的な学びを進めることに役立つICTツールと連動させることで学習効果をより深める。株式会社LODUは、金沢工業大学の学生が21年6月に設立したベンチャー企業。卒業後も同学SDGs推進センターの研究員を兼任。
いまや国際社会共通の目標の1つといえるSDGs(持続可能な開発目標=Sustainable Development Goals)。2015年9月の国連サミットで全会一致で採択。「誰1人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、30年を年限として17の国際目標を定めた。学習指導要領でも前文と総則に「持続可能な社会の創り手の育成」が明記され、各教科での取組が求められている。
ファシリテーションの方法を研修で学ぶ
一見難しく思えるSDGsを身近なものとして理解できるようにしたカードゲーム教材。SDGsの17個の目標に沿ったトレードオフの解消を目指す。トレードオフとは一方を得ようとすると他方を犠牲にしなければならないジレンマの関係のこと。環境・社会・経済がバランスよく成長する社会のためのアイデア創出を体験できるもので、金沢工業大学SDGs推進センターWebサイトから無料で教材をダウンロードできる。
共同研究では「THE SDGs アクションカードゲーム X」を用いた授業を支援する教材や教員向けマニュアルなどを開発。ゲーム前後の学習デザインを設計し、子供たちがICTツールを用いて主体的に協働して学べるようにするもので、教員向け総合プラットフォーム「master study」の有料会員向けコンテンツとして22年度内に公開予定。既に22年3月及び5月に教材の一部を用いてファシリテーションするための研修を実施しており、その後も改良している。
本研修参加者からは次のような声が届いている。▼遠方からでも、オンラインで研修に参加してゲームを体験できた。▼スライドで作業しながら説明を聞くことができ、とても良い研修でした。またmaster studyの研修を受講したい。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年7月4日号掲載
