公立小中学校で1人1台端末環境が整備されたが、情報端末を導入する幼稚園や保育所、認定こども園も出てきており、就学前でのICT活用に注目が集まっている。
山口県和木町教育委員会(重岡良典教育長)では、認定こども園と小学校、中学校が連携した教員研修をスタートし、共通理解を深めている。和木町では、平成27年度から教室のICT環境整備を進めており、普通教室のICT化や児童生徒の端末活用を県内でもいち早く取り組んできた。
和木町教育委員会が企画した教員研修は、認定こども園の先生が小中学校の授業研究に参加したり、小中学校の先生が認定こども園の授業を参観したりする合同研修である。担当の木嶋麻友美指導主事は、「地域での学校間格差を解消するには、学校間の共有や連携が重要」と語る。
小中学校では、導入した1人1台端末を活用した授業研究に取り組み、各教科等の授業で情報端末を日常的に活用するようになってきた。小学校体育で授業者が試行錯誤しながら公開した授業の参観を通して、認定こども園の先生にも共有された。一方で、認定こども園では、各教室に設置した大型提示装置と実物投影機で拡大提示して、絵本の読み聞かせなどで教師の利活用を促進している。それらの教師の基本的な活用について、小中学校の先生は授業を参観して共有した。認定こども園と小学校、中学校が隣接していることも、研修の連携や情報の共有につながっている。
地域の中で連携体制を構築することで、幼保から小中、さらには高校につながっていく。地域の連携体制を強化して、教師間で協力しながら高めていくことが今後も求められる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年6月6日号掲載