GIGAスクール構想における1人1台端末の導入から1年以上が経過した。今学校で、何が起こっているのか。今後何が起こるのか。Googleは4月10日、「GIGAスクール構想実現に向けたオンラインセミナー~専門家の目から見た1人1台環境とこれからの教育」をオンラインで開催。専門家4人が討議した。登壇者は山内祐平・東京大学大学院情報学環教授、越塚登・東京大学大学院情報学環教授、高橋純・東京学芸大学教育学部教授。進行役は堀田龍也・東北大学大学院情報科学研究科教授が務めた。本討議では、堀田教授が問いを出し、それに対して登壇者がGoogleスライドに各自の端末で回答を書き込んで共有し、それぞれについて説明する形式で進めた。堀田教授は「簡単な方法だが討議を進めやすくなるので校内研修等でもぜひ活用してほしい」と話した。本討議はYouTubeでも視聴できる(https://www.youtube.com/watch?v=vL2h43MKUsE)。
越塚 「労」は「ねぎらう」という意味です。まずは関係者の皆さんの苦労や努力をねぎらい感謝したい。デジタル分野は取り組みやすい分野と最初は大変な分野があります。教育は人間が全面に出てくるので大変なことが多いと感じています。これから先の頑張りの期待も込めています。
高橋 「楽」です。現場の苦労はよく見ていますが、せっかくならなるべく楽しもう、と取り組んでいるところがうまくいっている気がします。窮屈に考えすぎないことが大事ではないかと。
堀田 少し力を抜いていこう、ということですね。楽しめなければ続きません。
山内 「革」です。「あらたまる」「あらためる」意味もあります。1人1台端末は画期的で歴史的な転換となります。小中学校だけの話ではない点がポイントです。大学でも企業でもオンライン授業やテレワークが進み、学習や仕事すべてにおいて情報環境がプラットフォームになった1年でした。一度革まった以上、元にもどることはなく、以後、これが前提になります。
堀田 これからの話に大きな関わりがある視点です。