GIGAスクール構想によって公立小中学校に整備された1人1台の情報端末を活用して、子供たちの読書活動を支援する動きが見られるようになった。
小学校学習指導要領総則には「学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図ること」と書かれている。今後は、教科等横断的な学びや探究的な学びが増えていくなか、1人1台の端末環境下での図書館教育の役割は重要といえる。
熊本県高森町(佐藤増夫教育長)は、2020年から「高森町タブレット図書館」を学校や家庭から活用できるように環境整備を進めてきた。子供たちはシステム上で書籍を借りて、家庭でじっくり読書を楽しんでいる。
2021年5月12日には、天皇皇后両陛下による行幸啓が行われた。タブレットを活用した先進的な授業をご覧になられ、高森町からタブレット図書館についても紹介した。
町内の3つの学校では、家庭に端末を日常的に持ち帰って、家庭に居ながらタブレット図書館でじっくり読書を楽しんでいる。1つの書籍を複数の子供たちが同時に楽しむことができ、図書館の効率的な運用にもつながっている。
2021年度は児童生徒によるタブレット図書館利用実証を行い、1年間で約1万件の閲覧数となった。この結果を受けて、情報基盤整備が完了している強みを活かし、町民向けのタブレット図書館の運用を22年度末までに開始することとなっている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年4月4日号掲載