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教育ICT

端末持ち帰りで授業デザイン見直し&デジタルシティズンシップ教材を活用 札幌市立中央小学校

2022年3月8日

札幌市立中央小学校(紺野宏子校長・北海道)は2020年10月より札幌市のモデル研究校としてGIGA端末(Chromebook)とモバイルルータが配備されており、ICTを活用した主体的・協働的な学びや児童のデジタル・シティズンシップの育成に取り組んでいる。同校の情報教育推進教諭である中里彰吾教諭は現在の取組について2月23日、オンラインで報告した。主催はデジタル・シティズンシップ教材を提供しているサイバーフェリックス。

授業と家庭で「DQワールド」に取り組んだ

授業と家庭で「DQワールド」に取り組んだ

20214月、情報端末の家庭への持ち帰りの方針が決まり、その準備を進めた。

まず、札幌市の学びの習慣や生活習慣などの指針「さっぽろっ子『学び』のススメ~学校も家庭も『まほうのかいわ』で習慣づくり」を家庭に周知。「促す」「認める」「支える」ための子供に寄り添う声がけと意識について共有した。

10月は、オンラインでデジタル・シティズンシップをテーマにした保護者対象の講演会をサイバーフェリックスの協力を得て実施。後日、オンデマンド版も配付した。

Chromebookは重量があるため、積極的に「置き勉」を推奨。その日に学ぶ教科書のみを自ら考えて持ち帰るようにした。

持ち帰り学習を進めるためには、課題探究的な学習の自走も必要だ。そこで授業デザインも見直し。「授業デザインのルーブリック」を作成し、それを意識して展開した。6年社会科ではデジタルノート(オクリンク)を使い、単元を通して「風刺画」を読み取る学習を行った。複数枚の「問いを生む」風刺画を見て自由に書き込み、話し合いを通して課題を見つけ、社会的事象について興味をもって調べるようになっていった。

DQワールドで自学 児童の意識が変化

学習前後で頻出するワードが変わり、意識の変容がみられた

学習前後で頻出するワードが変わり、意識の変容がみられた

デジタル・シティズンシップ教材「DQワールド」も利用。教材数が多いため、持ち帰りを想定した課題をいくつか選び、授業で3時間、さらに家庭学習で取り組み、事後の「振り返り」を重視した。

教材「マルチタスクを習得しよう」学習後、4年生の児童は「宿題をやるときは作業がひと段落するまでテレビ、スマホ等の電源はオフにする」「脳を休める時間を毎日つくる」など、自律的な回答が見られた。

教材「スクリーンタイム(画面を見ている時間)」の振り返りでは「スクリーンタイムが多いといらいらしやすくなるかもしれないことがわかった」「自宅に友達が来た時などは増やしても良いのではなないか」等、教材をきっかけに自ら考える姿が見られた。

「個人情報」の教材では「学校名をネットに上げることで学校の人に影響を与えるかもしれない」「目的地は個人情報ではないと考えていた。今後は気を付けたい」等、自らの行動を振り返る様子があった。

「デジタルリーダーに必要な3つのC」について5年生の児童は「意識を変えることで様々な危険から自分を守ることができる。『CHANGES』はSDGsにもつながる」と、総合的な学習の時間で取り組んでいる学習に紐づけており、成長を感じた。

学習後、保護者との会話が増えた児童もいた。その会話をワードクラウドで分析すると、取組前は「ゲーム」「YouTube」「怪しい」「お父さん」「決める」「言う」が頻出。事後は「パスワード」「スクリーン」「注意深い」「話す」「もらす」が頻出しており、他律的なかかわりから自律的な意識に変わりつつある。

クリティカルシンキングを意識した学習への意欲や、情報の消費から生産的な活動に端末等を活用しようという意識、トラブル回避につながる意識も生まれている。

情報モラル教材CBTも導入しており、1年間の変化も検証していく。

DQワールドとは

シンガポール発のデジタル・シティズンシップ教材。推奨学年は小学校3年生~中学校1年生。ゲーム感覚で8つのデジタル・シティズンシップスキルを36のミッションを通して学ぶ。スコアもリアルタイムで可視化。全世界で比較できる。デジタルワークブックで振り返りや応用問題を提供。「個人レポート」「学校レポート」も提供。

経済産業書Edtech補助金などで現在約250校が導入。学校向け、教育委員会向けプランがある。

321日より実証実験プログラムの申込を開始。半年に1度のレポートに協力することで、41日から1年間無料で活用できる。オンライン体験会を毎週木曜日20時に開催。2月にデジタル・シティズンシップ力を測定できるWebテストを公開。英語版。Chromeブラウザで日本語化できる。29問約20分程度。
▼詳細=https://www.dqindex.org/assessment/DCT

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年3月7日号掲載

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