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教育ICT

GIGA端末を活かす!教員研修・授業活用「⑨1人1台の端末で授業と家庭学習をシームレスにつなぐ・武雄市立北方小中学校」中村学園大学教育学部 山本朋弘教授

2022年3月7日
連載

佐賀県武雄市(松尾文雄教育長)は、いち早く11台端末環境を整備して、授業と家庭学習をつなぐ反転学習「スマイル学習」に取り組んできた。2021年度は「個別最適な学び」教育実践研究事業による授業改善をさらに進めている。

武雄市立北方小学校(坂村隆校長)と北方中学校(武藤敏校長)は、小中連携のもとで、11台の端末環境を有効活用した「個別最適な学び」の実現を目指した授業研究を進めている。「指導の個別化」と「学習の個性化」の両面から整理し、授業と家庭学習をシームレスにつなぐ「スマイル学習」を軸に、自分のペースでじっくり学べる「指導の個別化」を推進している。

小中連携で家庭と学校の学びをつないでいる

「スマイル学習」では、11台の端末を家庭に持ち帰り、家庭で教材に触れさせ、各自の学習ペースで予習することができる。例えば6年生の国語の授業では、家庭で事前に考えた内容を送信し、授業の導入では、ピラミッドチャートで共有しながら、学級全体で考えを形成する場面が中心となっていた。家庭でじっくり考えてから、授業に参加することで、学習ペースの個別化を図っている。

北方中学校の音楽の授業では、リコーダー演奏を自宅で行い、撮影した動画を提出させることで、実技テストとしている。生徒はベストの演奏を録画するために、繰り返し練習するなど、より主体的に学習するようになった。また、教師にとっては提出された動画をくり返し見ることによって、より細かな部分を確認できるため、より緻密な評価につながった。これらの「個別最適な学び」では、学習の方法やペースが個別化されるとともに、自ら学習を調整する力が必要であり、そのマストアイテムとして11台の情報端末を活用していく。

武雄市の授業研究は、「スマイル学習」等の研究成果をもとに、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を往還しながら、「主体的・対話的で深い学び」の実現につながる授業改善を目指した取組といえる。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年3月7日号掲載

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