1人1台の情報端末は、授業での活用だけではない。児童生徒が情報端末を家庭に持ち帰ることによって、学校と保護者との連携でも有効に活用できる事例が見られるようになった。
福岡県大刀洗町教育委員会では、児童生徒が1人1台の情報端末を日常的に活用し、学習に向かう意欲にも効果が見られるようになった。授業以外でも積極的に活用し、活用スキルは確実に定着。さらに、家庭と学校の連携において、1人1台の情報端末を有効活用する取組を進めている。
大刀洗中学校(別府英樹校長)では、保護者が家庭訪問を対面とオンラインから選択できるようにした。オンライン家庭訪問では、家庭だけでなく、保護者が仕事場や移動先から教師と話し合うことができる。保護者が家庭訪問の時間帯を調整するのが容易になるとともに、年に1回だけでなく、年に3回程度を実施することができるようになった。オンライン接続の方法や環境は、学校から家庭向けの資料を配付して説明した。
ポイントは「対面」と「オンライン」のいずれかを保護者が状況に応じて選択できる点である。また、オンラインであれば、一度だけでなく、必要に応じて何度でも実施することが容易である。担任教師の負担軽減につながるとともに、保護者が担任教師と話し合う機会が確実に増えているようだ。家庭環境の多様化は進んでいて、教師の負担やストレスも増えてきている。このような大刀洗町の情報端末の活用は、教師の働き方改革にもつながるであろう。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年2月7日号掲載