児童生徒1人1台の情報端末環境が整備され、より一層の活用を促進するためには、教員研修が重要な役割を果たす。福岡県教育庁教育振興部義務教育課(塚田淳課長)は、1人1台端末整備後の教員研修を昨年度から計画し、今年度の当初から研修を実施している。「複層的な研修」は特徴的であり、学校や地域での役割や立場に応じた研修内容を用意している。
例えば、すべての教員が活用できるようにスキルアップを図る研修だけでなく、学校で中心的な役割を担う教員を対象にした研修や、管理職向けの研修を設定した。
さらに、地域でのICT化推進について、その地域で中心的な役割を担う教員を対象にしたICT支援リーダー研修も設定。中島正之主任指導主事は、1人1台端末の導入期から活用期を意識して、市町村間の格差を生まないように、地域で連携が図れるリーダー育成を意識したと語る。校内や地域の推進リーダー向けの研修では、学習支援ソフトを活用した授業づくりに関する演習形式の研修を実施した。義務教育課、県教育センター、教育事務所が連携して、研修体制を構築し、研修内容の充実を図っている。
その他の取組として、北筑後教育事務所では、指導主事が授業者役となって、模擬授業を研修に取り入れた。指導主事が模擬授業で活用のポイントを提示して、研修後にその模擬授業を受講した教師が自らの学級で実践するといった、実践的な研修が展開されている。
今後、1人1台端末の活用期から発展期に進むことを考えると、教員の授業力を高める実践的な研修が求められる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年12月6日号掲載