福岡市立百道浜小学校(酒井美佐緒校長)は、昨年度11月末までに福岡市内に1人1台の情報端末環境が整備されてから、児童の能動的な学びに着目した1人1台の情報端末の活用を進めている。特に、酒井校長のリーダーシップによって、教職員が一丸となって取り組み、学校全体での活用が確実に進んでいる。教師も児童も授業や授業以外の場面でも日常的に活用しているが、なかでも校長自らの活用はとても興味深い。
酒井校長は、クラウドサービスを用いて、児童全員に直接アンケートを答えてもらうようにした。例えば、導入当初は、情報端末でどんなことができそうかを回答させた。年度末の振り返りでは、1年間、挨拶がきちんとできていたかを回答させた。今年の夏には、情報端末を持ち帰ってやってみたいこと、児童自身が考える使い方のルールを聞いた。
酒井校長が出したアンケートの問いに対して、子供たちは発想豊かに答えてくれたようだ。
子供たちは端末の持ち帰りについて、「家庭でタイピングを練習したい」、「家庭科で学習した調理を家庭で実践し、記録を作成したい」などをWebアンケートで回答した。
これらのアンケートの結果は集計してグラフ化されて、毎月1回実施される全校集会において、酒井校長がプレゼンテーションで報告する。集会は、当然オンラインで実施される。校長自らが情報端末を積極的に活用する姿から、子供も担任教師も積極的な活用に向かうだけでなく、教頭や担任教師の事務負担が大きく減ることにもつながっている。
このような校長のリーダーシップが、これからの1人1台の端末環境を活かしていく上のカギになることは間違いない。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年11月1日号掲載