埼玉県立総合教育センターでは「公教育は社会全体の様々な技術や知見を必要としている」と考え、企業等と連携して「次世代の学び創造プロジェクト(通称まなプロ)」を進めている。「まなプロ」は、民間企業やNPO法人等のパートナーを募集し、未来を担う子供たちのために協働で研究・開発を行うものだ。その取組成果の1つが「GIGAスクール構想時代のICT活用ガイド『ICT活用レシピ集』だ。
ICT活用レシピ集は、2020年9月から総合教育センターが(株)ストリートスマートと連携して取り組んだもの。GIGAスクール構想による授業活用のポイントや留意点、手順を示し、小学校編・中学校編・特別支援学級・通級指導教室編計40の事例をまとめた。
『ICT活用レシピ集』では、学習指導案上にGoogle Workspaceの活用箇所を「レシピ」として明記。例えば「ホワイトボードアプリを活用し、高速道路ができたことで『市の様子』がどのように変化したか話し合う」「プレゼンテーションアプリを活用し、生活の道具の使い方について、資料としてまとめる」などだ。そのレシピの詳細として、使用する具体的なアプリや活用の流れ、手順などをイメージしやすいように後述。レシピ内容は、他教科にも応用できる内容だ。
埼玉県総合教育センター「まなプロ」担当の添野圭介氏は「企業と協働で取り組むことで、総合教育センター指導主事1人ひとりのICT活用スキルが向上し、『ICT活用レシピ集』をまとめることができた。本取組では小中学校版と特別支援学級・通級指導教室編に加え、県立学校版ICT活用レシピ(高等学校編・特別支援学校編)も作成した。各学校で積極的に活用してもらいたい」と語っている。
ストリートスマートは、Google Workspace for Education(以下、Google Workspace)の導入・活用に関するレクチャー動画や実践ガイド、学校常駐型のICT支援員や研修等を提供している。
同社の協力により、学校現場に寄り添った事例集作成という目的に向け、センター内で研修を実施。Google Workspaceの体験の後、担当教科に分かれ、どの単元や授業場面でGoogleのツールを活用したいか、活用できるかについて、Jamboardを使ってディスカッション。授業づくりのイメージを深めてから事例集作りに取り組んだ。
▼ICT活用レシピ小学校編・中学校編・特別支援学級・通級指導教室編
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年10月4日号掲載