メディアラボのコンセプト「環境があれば生徒は自らクリエイティブに学ぶ」に賛同し、アドビはCreative Cloudのライセンスを、マウスコンピューターは「DAIV」シリーズのPCと4K対応ディスプレイを提供している。それぞれの特徴を聞いた。
三鷹中等教育学校のPC室のデバイスではこれまでもアドビのツールが利用できましたが、今回のメディアラボの取組では、よりクリエイティブな活動の実証研究支援として「Creative Cloud」のユーザ指定ライセンスを提供しています。キックオフとして1~2月に2回、希望者向けにオンラインで動画制作講座を行ったところ、期待を超える成果を実感しました。セミナーに集まった有志22名(中学生7名、高校生15名)は、動画編集ツール「Premiere Pro」や、動画に複雑な視覚効果を与える「After Effects」、キャラクターを自由に動かすことができる「Character Animator」など、プロの映像編集でも使われるツールを学び、受講後は各自の関心により様々な作品制作に取り組みました。初めて動画制作に挑戦する生徒もいましたが、音楽やアニメーションを駆使したPR動画やイメージ動画など、センスが光るユニークな作品が生まれました。
さらに喜ばしいことに、一般の動画の見方が変わった、次はこんな制作がしたい等、今後の制作意欲が増したのです。
メディアラボのPCはハイスペックで、ディスプレイも大画面です。Creative Cloudは、一般的なPC室のスペックでも活用はできますが、ハイスペックでストレスなく操作できる環境により、生徒の意欲がさらに増すことがわかりました。
小中学校ではGIGAスクール構想により1人1台端末が配備され、高校の1人1台端末整備も待ったなしとなります。手元で文房具のように日常的に端末を活用するほど、さらにPC室は、個人の端末ではできない活動を展開できる場所であるべきではないかと考えています。生徒たちがやってみたいこと、挑戦したいことに「蓋をしない」環境としてのPC室は今後、さらに重要になるのではないでしょうか。
AI時代において、人間ならではの力――創造的な問題解決能力が、より一層求められています。これを身につけるためには、プロジェクト学習などでアウトプットづくりを存分に試行錯誤した経験が原動力になります。加えて、実社会でも活用されているツールを当初から活用することで、高い質のアプトプットができ、社会や地域と連携した学びも展開しやすくなります。
弊社では、Creative Cloud小中高校向けライセンスを1人あたり年額約500円(メーカー参考価格)で提供しています。一歩進んだ環境が1人でも多くの児童生徒に届けばと考えています。
「DAIV」はクリエイター向けに特化したPCブランドです。イラスト制作や高精細の写真編集、動画編集やCG制作等の用途を幅広くカバーし、現在は企業内のプロクリエイターやフリーランスの方々、グラフィックデザインの専門学校にも導入実績があります。
2年前からは、3DCGや4K/8Kなどの高精細な動画編集やVRコンテンツ制作向けのラインナップを強化し、あらゆるクリエイターに対応できるスペックを提供しています。
昨今のトレンドでもある高精細な動画編集など高負荷のかかるデータ処理を快適に扱うためには、高性能なCPUは必要不可欠です。そこでDAIVは、低コストで導入可能なDAIV Zシリーズにおいても、演算能力の高いインテル® Core™ i7プロセッサーを標準構成で採用しています。クリエイティブソフトウェアの動作をサポートするメモリやグラフィックスにおいても、メモリは最低16GBから、グラフィックスは用途に合わせて幅広く選択いただけます。
三鷹中等教育学校のメディアラボに提供したDAIVでは、メモリを16GBから32GBに、オンプレミスのサーバに高速アクセスさせるための10GbE ネットワークカードを付属するなどのカスタマイズを行い、生徒の創作活動を強力にサポートする構成としました。細やかなカスタマイズを可能とするのも、国内生産かつ受注生産ができるマウスコンピューターならではです。
モニターは31・5型4K対応液晶ディスプレイを採用したiiyamaブランドを提供。4Kブルーレイや動画配信サービスで採用されている高画質化技術「HDR10」に対応しており、美しい映像を再現できます。フルHDの4倍の情報量を1画面に収めることが可能となり、複数の素材やソフトウェアを起動しながらの編集作業もストレスなく進めることができます。ブルーライトカット機能や目が疲れにくいノングレア表面加工も搭載しています。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月5日号掲載