今年度、町田市は新たな学校づくりに着手する。学校を統合し、新たな資質・能力育成に資する学校施設整備を計画。2055年度までの総事業費2541億7000万円、総改築(建替え)費2088億5000万円の一大プロジェクトだ。協働的な学習を促進する「普通教室」、図書室機能を拡充した「ラーニングセンター」、学校と地域・保護者の協働拠点となる「コミュニティルーム」などを整備。各教室、多目的ホール及び多目的室には、ホワイトボードとプロジェクター型電子黒板を整備。提示スペースを前面に固定せず自由度を確保して机や椅子も自由に移動できる協働的な学習空間とする。
小学校の普通教室はオープンスペースを基本とし、オープンスペースありの場合は現在の約1・7倍(110・5㎡)、なしの場合は約1・1倍(72㎡)に、中学校は約1・2倍(約80㎡)とする。市教委によると「学校の統合を含めた通学区域の再編を行う計画」「新たな学校に求める施設機能を具体的に定めた方針」「学校整備計画」を三位一体で同時に策定したのは全国で初。
本推進計画では、学校に通学して学ぶ意味を改めて問い直し、協働的な学習や学校生活におけるコミュニケーションを促進できるような学校施設機能を整備する方針を定めた。
普通教室は、協働的な学びを促す十分なスペースと機能を確保。
図書室の機能を拡充したラーニングセンターは放課後活動や地域開放等でも活用できるようにする。原則として普通教室3・5教室分。
多目的ホールも整備。小学校においてオープンスペースがある場合は1校あたり1か所、ない場合は2か所。中学校は1か所とし、普通教室3教室分とする。
普通教室またはオープンスペースの周辺に、個別の児童が落ち着きを取り戻したり、居場所を確保することができる小空間を配置することが望ましいとしている。
ICT環境については以下のように定めた。
(1)大型提示装置を含めたICT機器は時代に応じて進化することから、時代に応じた多様な学習活動を展開するために必要なICT機器を積極的に選定する。
(2)指導者用及び学習者用端末がネットワークに接続できる環境について、原則として体育館等を含めた校舎内に整備。屋外運動場においてもネットワークに接続することができる環境を整備することが望ましい。
(3)学習者用端末の保管または充電場所について、時代に応じて適切な位置に整備。
市立小・中学校では2040年度までに児童・生徒数が約30%減少する見込みであること、学校施設の老朽化もあり、市立小学校を42校から26校、市立中学校を20校から15校に統合する目標を掲げ、新たな通学区域や学校候補地、建替えの想定時期及び事業費なども定めた。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月5日号掲載