4月末、副校長や教頭、校内研修推進リーダーを中心に研修会を開催
GIGAスクール構想によって、小中学校の児童生徒に1人1台の情報端末が整備され、教師が授業の中でどのように活用させるのか、教師の指導力を向上させる研修の在り方が問われている。石川県教員総合研修センター（藤井直樹所長）は、校長や教頭等の管理職に対して、どのような研修を進めるか、センター内でいち早く議論して、その方向性を明らかにした。
2021年3月の人事異動公表直後の3月25日に、新任校長を含めた、金沢市を除く石川県内すべての公立学校における管理職を対象としたICT活用研修を開催している。学校の管理職が、教職員にどのように伝えるのか、さらには学級間や学校間の格差が生じないように学校全体で計画的に校内研修を通してGIGAスクール構想を実現するように働きかけている。4月末には、副校長や教頭、校内研修推進リーダーを中心に研修会を開催した（写真）。まず、オンラインによる外部講師の講話から、1人1台端末環境の必要性や学校・地域全体での推進のポイントを理解した。その後、グループ協議において参加者同士で推進策や悩みを共有して、今後の推進策を協議した。
4月当初から全教員が基礎スキルや授業事例の動画をオンデマンドで視聴
また、4月当初から全教員がオンデマンドで基礎スキルや授業事例の動画を視聴しながら学びを深めている。そこでは、メーカーが提供する研修コンテンツ以外に、指導主事が制作した1人1台端末を活用した授業実践例の動画を配信している（写真）。これらの指導主事が作成した授業実践例の動画は、学校現場の教師にとって、授業イメージをつかむ上でとても貴重な内容といえる。今後は、動画を視聴した受講者が各学校の活用を促進させて、授業の事例を共有するように計画されている。これまでのスキル研修とは異なり、1人1台端末環境での教師の指導力を高める好事例の研修スタイルといえる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月5日号掲載
