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教育ICT

元気な小規模校を増やす!<23>「遠隔授業の形態を段階的に設定~沖縄県宮古島の小規模校」中村学園大学教育学部 山本朋弘教授

2021年5月3日
連載
3校合同で問題解決学習に遠隔で取り組んだ

3校合同で問題解決学習に遠隔で取り組んだ

沖縄県宮古島市の池間小中学校(与那覇淳校長)は、児童生徒数23人の小規模校の小中併設校だ。「未来を切り拓く自立型人間の育成」をめざして幼小中一貫教育を進めている。現在、西辺中学校(渡久山英徳校長)と狩俣中学校(平良満洋校長)はオンラインでつながり、3校合同の問題解決の学習を進めている。その際、遠隔授業の学習形態を段階的に設定するようにした。

中学2年理科「天気とその変化」で、3校でお互いの意見交流で問題解決を深めていった。

まず、晴れの日と雨の日の気象要素の移り変わりの特徴をグラフから考え、オンライン上で考えたことを発表しあった。この場面では、教室と教室をつないだ遠隔授業を実施して、教室全体やグループ単位での意見交流を中心とした。極小規模校なので、多くの人の前で発表する機会が少ないことから、他校とつないで発表力を向上させるようにした。

次の時間から、生徒個人同士でZoomにより接続し、1対1のやり取りから学習を深めた。各自がグラフからどの前線が通過したのか読み取り、天気図と気象情報から翌日の天気を各自で予想し、オンライン上での話し合いも活発になった。

池間小中学校の與那嶺誉代教諭は、理科での遠隔授業の段階的な進め方について「他校の生徒と考察をすることで、多様な考えに触れることができた」「回を重ねる毎に積極的に自分たちから話しかけ、グループ討論ではリードする生徒もでてきた」と話す。

宮古島市は2012年から総務省の「フューチャースクール推進事業」参加以降、継続して授業でのICT活用や遠隔授業に取り組んできた。これまでに継続した成果が、多様な遠隔授業の実現につながっている。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年5月3日号掲載

元気な小規模校を増やす!

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