佐賀県武雄市(松尾文雄教育長)は以前から情報端末環境が整備されており、各学校で効果的活用が継続されている。特に武雄市での家庭への端末の持ち帰りは「スマイル学習」として全国的にも有名である。GIGAスクール構想により11月に武雄市内でChromebookが整備され、1人1台の情報端末環境が更新された。
武雄市立東川登小学校(橋本良子校長)は、全児童96人の小規模学校だ。これまでにも情報端末の有効活用を展開してきた。今回新たに更新された情報端末とクラウドサービスを各教科での学習に日常的に活用している。
3年の算数「三角形」で、1人1台の情報端末を活用した少人数授業を展開した。授業の目標は二等辺三角形と正三角形の定義を理解すること。色棒を用いて三角形を作り、作った三角形を全体で発表するという流れである。
まず、子供達には個別学習で各自色棒を使って三角形を作らせ、数名の子供に黒板上に提示させた。全員にそれぞれの三角形の特徴を捉えさせた後、再び個別学習として子供達には情報端末を使い、クラウド上でさまざまな三角形の画像を仲間分けさせた。その後、協働的な学びの場面で、複数の児童の仲間分けをクラウド上で共有させた。さらに共有した内容を電子黒板で拡大提示して、子供同士で意見交換を行った。
武雄市の小中学校では、既に1人1台の情報端末とクラウドサービスの活用がスタートしている。今回の東川登小学校の取組のように、1人1台の情報端末とクラウドサービスを活用して個別最適な学びと協働的な学びの行き来が可能となり、小規模校でのICT活用が更に充実する。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年4月5日号掲載