長崎県川棚町教育委員会では、“つなぐ”をキーワードに教育現場のICT整備を積極的に推進しており、校内LANなどの通信ネットワーク整備のほか、平成22年度に小・中学校の各教室に大型ディスプレイ(55型)を導入。平成27年度には児童・生徒2人1台の割合でタブレット端末を配布した。さらに、今後の授業のスタンダードになる協働学習を実現するために、ICT教育の要となる使い勝手が良い電子黒板の導入を検討。PCに接続しなくても使える手軽さと信頼性でBQ1シリーズを選定した。
電子黒板の導入にあたっては、すべての先生に授業で活用してもらうため現場の要望を重視。BQ1シリーズはPCに接続しなくても電源を入れるだけで書き込みができ、タッチ操作や直感的に使えるコントロールメニューでPC操作に慣れていなくても簡単に使えること、多画面比較機能やタイマー機能など授業で便利な機能を搭載していることなどが現場の先生方に高く支持された。
10年前に導入したディスプレイの安定運用や信頼性もパナソニック製品選定の決め手になった。
川棚町立石木小学校では1学期の終業式の日に電子黒板BQ1を各教室に設置。
8月9日の長崎原爆の日に行われた平和学習から本格的に活用が始まった。
例年であれば体育館に全学年が集まって平和集会が開くが、今年はBQ1のScreen Transfer(スクリーントランスファー)機能を使って各教室で行った。
Screen Transfer機能は複数の場所にあるディスプレイに校内LAN経由でパソコンの画面を配信することができる。石木小学校の平和集会では、4年生の教室で校長先生のお話や児童たちの平和学習の発表をカメラで撮影し、その映像をライブで他の教室の電子黒板BQ1に配信した。
「体育館では暑さの問題もありますし、今年はコロナ感染対策で集会自体ができません。電子黒板の配信機能を活用すれば、涼しい教室で子どもたちの安全を確保しながら情報の共有ができます。withコロナの時代の集会活動でとても役立つツールだと思います」(川棚町立石木小学校 寺地 久弥校長)。
BQ1は直感的な操作で使える電子黒板として多くの学校に導入されている
「JOINBOARD」を授業の現場から寄せられる要望に応えてさらに進化。協働学習に便利な新機能を搭載している。
石木小学校の授業では平和学習で時間内に作文を書く際に「タイマー機能」を使ったり、理科の授業で「多画面比較機能」を使って春と夏の気温グラフを4分割画面で表示し、「どのグラフが何月の気温か」を児童がタッチして答えるなどで新機能を活用。
授業者の川﨑武弘教諭は「PCを使わなくてもデジカメやUSBに保存した画像を使って比較して見せられるのはとても便利です。ほかにも専用ペンだけでなく指でも書き込める機能も便利ですし、外光の反射を抑える前面ガラスや、角にぶつかっても怪我をしないように保護カバーが付けられているなど、細かな点の配慮も学校の現場をよく研究されていると感じます。この電子黒板とタブレットを活用して子どもたちが能動的に学ぶ協働学習を実現していきたい」と話している。
川棚町では現場の声を大切にしてICTの整備を進めてきました。今回の電子黒板も現場の先生方が使いやすい、使いたいという観点から選びました。映像配信の機能を備えた最新の電子黒板を導入できたので、十分に活用して多様な子どもたちの一人ひとりを大切にする教育、子どもたちの10年後、20年後の夢を叶えるための教育を発展させていきたいと思います。
川棚町教育委員会(3小学校・1中学校)の全児童・生徒数は1,085人(令和2年5月1日現在)。未来を担う子どもたちのために教育のICT整備を推進し、「公立学校情報化ランキング2019」(日経BP社)では全国1700を超える自治体の中で28位にランキングされている。