信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センターは、教員のICT活用指導力の向上や遠隔オンライン授業への対応が求められる中、文部科学省遠隔教育事業・南信州遠隔教育セミナーを1月23日、オンラインで開催。383人の申込者があった。うち小中学校教員は176人、教育委員会45人、学生77人。
基調講演で堀田龍也教授は「GIGAスクール構想は1人1台のPCを渡すプロジェクトではない。様々なクラウドサービスを各自が学びの道具として活用できることが目的。PC1人1台活用や新たな学びに向けた授業改善、学習者用デジタル教科書の活用など様々なことを一気に求められるという困惑の声もあるが、世界と伍していく力を育むためには義務教育段階からネットワークを活用した学びの経験が必要という考えから生まれた施策であり、すべてつながっている。各教科で、主体的・対話的で深い学びを展開するためには、1人1台PC環境を土台とした情報活用能力を鍛えることが必須。スキルは数か月で鍛えられる。その後が重要」と話した。
佐藤和紀氏(信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センター)のデータも引用。それによると「Googleスプレッドシートの作成・編集・閲覧は、特に導入後初期が多い。また、Googleスライドの作成・編集・閲覧については、導入後3か月以降に増えている。活用が進むと頻度の高いツールが変わっていくことがわかる。教育委員会はこういったデータを活用してエビデンスを測ることができる」と示唆。
また、各事例発表後には、「保護者や地元の名士など地域の教育委員の方々が研修で、共同編集の体験をした際に、課題を『自分の町の教育自慢』としていた。最初は遠慮がちに書き込んでいたが他の人の書き込みを見て刺激され、どんどん書き込んでいくという体験により、クラウド活用やICTによる共有が自らの意識にどう変化を起こすのか、何が変わりつつあるのかを体験できていた。今後の展開にとって重要な研修であった。喬木教育委員会の、遠隔合同授業とオンライン学習には異なるスキルや環境が必要であるという報告も示唆に富む」と話した。