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教育ICT

元気な小規模校を増やす!<20> 3つの島がつながる「1対1のオンライン学習」鹿児島大学大学院 山本朋弘准教授

2021年2月1日
連載

鹿児島県三島村

1人ひとりの出番を保証

小学2年生が1対1のオンライン学習で やり取りしている

小学2年生が1対1のオンライン学習でやり取りしている

鹿児島県三島村(室之園晃徳教育長)は、竹島、硫黄島、黒島の3つの島々に、4つの学校――三島竹島学園(竹島)、三島硫黄島学園(硫黄島)、三島大里学園(黒島)、三島片泊学園(黒島)がある。4校は、今年度からすべて義務教育学校として教育活動を展開している。昨年度から村全体が遠隔教育の研究委託を受けて、4校をつないだオンライン学習を展開している。

英語の授業では、毎時間ALTと継続的につないだ授業を行い、その中で1対1のオンライン学習にも取り組んでいる。

三島竹島学園(寳滿幸博校長)と三島片泊学園(重藤和伸校長)は、小学2年生が1対1のオンライン学習を実践した。学年に1人なので、教室で他の友達との対話ができなかったが、1人1台の情報端末を使って対話を実現することができた。国語の単元「お話のさくしゃになろう」で、自分が作った物語をタブレットPCで撮影して、クラウドサービスを用いて相手に送り、互いに読み合って、感想を交流。1対1のオンライン学習で感想を伝え合うことで、相手に分かりやすく伝えようとする気持ちを持つことができた。

中学2年の国語の授業では、三島竹島学園と三島大里学園(山内まるみ校長)をつないで、1対1のオンライン学習を実践した。「地域情報誌をつくろう」という表現の学習で、地域情報紙で担当した記事について、相手校の生徒に1対1でプレゼンテーションを行い、意見交換を行った。三島村の推進担当である波戸三幸教頭は、「異なる文化的な背景をもつ2校が交流しながら、読み手を意識してより良いものを作っていこうとする意欲を高めることができた」と語る。

近年の遠隔教育は、学校間の交流学習や専門機関との協働学習など、教室の全員が参加することになり、1人ひとりの出番が確実に保証されないことがある。三島村の「児童生徒が1対1で行うオンライン学習」は、1人ひとりの出番を保証した取組として注目できる。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年2月1日号掲載

元気な小規模校を増やす!鹿児島大学大学院 山本朋弘准教授

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