熊本県甲佐町立白旗小学校(前川和宏校長)は、全校児童105名の小規模校で、授業でのICT活用を日常的に取り組んでいる。特に、小学校プログラミング教育を4月から学校全体で推進している。前川校長は、育成したい資質・能力に、情報活用能力やコミュニケーション力、挑戦力を掲げて、プログラミング教育を中心とした情報教育を今年度からスタートさせた。
当初、学級担任は、プログラミング教育の授業を実施できるか不安であった。これらの授業者の不安を払拭するために、学級担任とICT支援員が協力的な指導を進めることとした。プログラミングに関する専門的な内容をICT支援員が説明することによって、学級担任がプログラミング教育の授業を進めやすくなるようにして、これまでにすべての学年でプログラミング教育の授業を順調に進めることができている。授業の中で、学級担任が授業を進行して、技術的な内容等をICT支援員が説明・指示するように、授業の中での役割を分担した。
スタート時は、コンピュータを使わないプログラミングの授業に取り組んだ。いわゆる「アンプラグド」なプログラミング教育の授業として取りかかりやすいように配慮した。子供たちがボールを箱に入れるための簡単な指示を組み立てていき、ロボット役のICT支援員が指示通りに動き、きちんとボールが箱に入るかを確認して指示に修正を加えていった。
子供たちは、なかなか思うように動かせない状況に試行錯誤しながらも、楽しそうに協力しながら学習を深めることができた。
コンピュータを使ったプログラミングの授業に発展させ、Scratchを活用したプログラミングにも子供たちは慣れてきた。順次処理や分岐、繰り返し等の専門的な内容は、ICT支援員から説明を受けていたので、スムーズに授業を進めることができた。また、自分で作成しているプログラミングでわからないことが出てくると、ICT支援員や先生に聞くだけでなく、友だちにも教わりながら学習している様子が多く見られるようになった。
小規模校での学級担任とICT支援員の協力的な指導は、プログラミング教育だけでなく、1人1台の情報端末の活用にも有効な指導となるだろう。
教育家庭新聞 新春特別号 2021年1月1日号掲載