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教育ICT

【第81回】ICTキャンパス 早稲田大学大学院「AI作曲新感覚コンサートでファン増やす」

2021年1月1日
連載

3万以上の楽譜を学習
音楽理論から自動作曲

視聴中に詳細情報を確認できる

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早稲田大学大学院 経営管理研究科の川上智子教授と川上研究室の学生は、エール管弦楽団とともに、新感覚のクラシックコンサート「エールマジックオーケストラ」を20208月、東京・晴海トリトンスクエア内の第一生命ホールで開催した。コンサートでは、AI(人工知能)の「AIVA(エイバ)」が作曲したクラシック曲「エールのための交響曲 Symphony for Aile」が世界初披露された。

AIVAは、楽譜をMIDIデータに変換して学習し、楽譜に特徴的なパターンから、自動で作曲する。フランスの職業音楽家組合「SACEM」に認められた初めてのバーチャル作曲家でもある。これまで学習した楽譜は、バッハ、モーツァルト、ベートーベンなどのクラシックのほか、ロック、ポップス、ジャズなど3万以上におよび、アルバムもリリースしている。

川上教授は「モーツァルトが8歳のときに作曲した交響曲第1番を聞いていただき、演奏後にどちらがお好みかを聴衆の皆様に挙手でお尋ねしました。64でモーツァルトが少し多い感じでしたが、ほぼ均衡していました。AIの曲を好まれた方が思いのほか多かったのです」と話す。

コンサートではほかにも、モーツァルト作曲「トルコ行進曲」の超絶技巧演奏、サン・サーンスの交響詩「死の舞踏」とマジックとのコラボなどが展開された。

テクノロジー融合で芸術の新市場を創造

川上教授のゼミでは2017年から、首都圏の音大生が中心メンバーとであるエール管弦楽団と、共同研究プロジェクト「クラシカエール(暮らし・変える)」をスタート。五感やテクノロジーを組み合わせた新感覚のクラシック音楽を提供している。

クラシカエール発足の背景には、クラシック音楽団体は利益率が低く、若年層の観客が少ないといった問題があった。

2018年の第1弾コンサートはプロジェクション・アートとのコラボ、翌19年の第2弾は、空手とテクノロジーとのコラボといった従来のクラシックコンサートの枠を超えたプログラムを実現させ、新たなファンを開拓してきた。

「クラシック音楽のノンカスタマー(非顧客)層である20代・30代の男女をメイン観客に考えています。独身・既婚・子供ありなど、多様なライフスタイルの方が想定されます。未就学児入場可で、小学生まで半額としています。いわゆるお子様向けコンサートではなく、空手とクラシックなど意外な組み合わせで、視覚で楽しみながら、クラシック音楽を聴いて頂くことを大事にしています。将来、クラシック音楽のコンサートに足を運んで頂きたいためです」(川上教授)

コンサートをマルチアングルで配信

今回のコンサートは本来202月に開催予定で、予約では約600席の会場が満席であったが、コロナ禍で開催が延期。8月に感染対策を徹底し、席数を制限して開催。さらにオンラインで生配信と見逃し配信も行った。配信では、さまざまなカメラアングルで構成された4画面で公演を視聴できるマルチアングル方式を導入。好きな奏者を追ったり、手元をクローズアップで見たりして楽しむことができた。視聴中に詳細情報が確認できる「TIG Live(ティグ ライブ)」配信も同時に行なった。次回コンサートは2136日に第一生命ホールで開催する予定だ。

(蓬田修一)

教育家庭新聞 新春特別号 2021年1月1日号掲載

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